香川県が自ら「うどん県」を名乗り、特産品であるうどんへの愛を惜しみなく披露していることは周知の事実であるが、うどん屋のデータをまとめるための専用ノートまで存在することを知っている人は少ないのではないだろうか。
セルフうどん店での心得も
ノートの名前はずばり「うどん帳」(税込594円)。店名や注文したメニュー名はもとより、麺の太さや硬さ、出汁の濃さや店の雰囲気までにいたるまでのチェック項目を網羅したページがある。さらに、セルフうどん店での心得を記したページや、「ゆだめ」「生醤油」などの"うどん用語"を解説したページまで備えた、うどんLOVERにはたまらない一冊だ。
それにしても、なんでこんなユニークなノートが誕生したの? わき上がる疑問を抑えきれず、うどん帳生みの親である「瀬ト内工芸ズ。」に質問することに。ちなみに「瀬ト内工芸ズ。」とは、香川県立高松工芸高等学校出身のクリエイターを中心に結成された少数精鋭のデザイン部。部長である村上モリロー氏を筆頭に、現在、13人の部員が在籍しているという。
「食べる人の好み」であるうどんを味わうために
では早速、「うどん帳」をデザインした担当デザイナーにインタビューさせていただくこととしよう。
―唐突ですが、うどん帳誕生秘話を教えてもらえますか
モリロー部長から、「メモ帳を作りたいから誰かデザインして」という話が部員たちにふられ、私もデザインすることになったんですけど、ただのメモ帳じゃおもしろくないから、どうせなら地元ならではのもので観光客のみなさんにも楽しんでもらえるものがいいなって思ったんです。
―どんな人が購入されていますか
地元の人にも観光客にもご購入いただいてます。「なにこれ! おもしろい! 」って感じでお土産として買われる方もいれば、うどん好きな友だちに買って帰られる方も。
―ちなみに、讃岐うどんの魅力とは
讃岐うどんは、店によって麺の太さやコシ、出汁の風味や味付け、営業スタイルがさまざまで、全てにおいて「コレこそが正式な讃岐うどんです」という基準がないんです。だからこそ店ごとの特長があるし、おいしいかおいしくないかは、店の雰囲気もひっくるめての「食べる人の好み」で変わります。
―だから、「旨いかどうかは、自分で決める! 」のコピーが採用されてるんですね!
はい。だから記入項目も「おいしい」「おいしくない」ではなく、店の特長を記録できるよう設定しました。うどん帳を活用することで、驚くほどバラエティーに富んだ讃岐うどん店をぜひ"自分基準"で楽しんでほしいですね。すべてのページを埋め終えると、「MYうどん屋辞典」として活用できるようになるのもポイントです!
ちなみに、うどん帳は栗林庵(栗林公園)を始めとする香川県内のショップ他、webでも購入可能。香川を旅行する際に利用するのはもちろん、近所のうどん屋巡りの際持参するのもいいかも!