TBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(通称・逃げ恥)のブームで注目が集まっている家事代行。お世話になっている共働き世帯も多いかもしれない。そのサービスを担う代行業者「CaSy」が12月13日に開いた「カジー裏技選手権」で、家事代行スタッフの茅野江利子さんが大賞を受賞した。
茅野さんがうみだした家事の裏技はどのようなものなのか。掃除のコツや、仕事のやりがいについても聞いてみた。
家にあるもので手軽にできる裏技たち
「カジー裏技選手権」は、同社に登録している家事スタッフや一般の人が、考案した"家事の裏技"を競うもの。全国から150以上の応募があり、この日は、同社のベテランスタッフが選出した5つの技が披露された。
このうち「紙袋がお好みのサイズの収納箱に大変身」という技は、たまってしまった紙袋の上部を、内側に2回折りこむだけで、紙袋が収納箱に早変わりするというもの。サイズによって、完成する収納箱の大きさも変えられるため、さまざまな仕様に対応できるという。
技を披露したスタッフからは「袋の素材によっては、キッチンのお皿やトレイを立てるのにも便利です」とアドバイス。わざわざ収納箱を買う必要もなく、汚れたら捨てられる点も魅力だ。
他にも、「水筒の中に砕いた卵の殻と水を入れて振ると、水筒の中についた茶渋がとれる」「みかんの皮でシンクをこすると、水垢がとれてピカピカになる」といった技が紹介されたが、最も評価が高かったのは、「窓枠のゴムパッキンの黒ずみは塩でこするととれる」というものだった。
実演が難しく、技の紹介は写真での説明にとどまったが、窓枠などのゴムの黒ずみに、塩を振りかけてなじませ、軽くこすると、黒ずみが落ちてきて、手軽にきれいにお掃除できるという。
同裏技を考案し、今回大賞を受賞した茅野江利子さんは、「家事代行で子育て家庭を担当するようになり、合成洗剤などではなく、なるべく子どもが口にしても危険が少ないものを使うよう、意識するようになりました」とコメント。シンクを磨くのに歯磨き粉を使っていた経験から、"塩でも汚れが落ちるのではないか"と考え、試してみたら、効果があったのだとか。
他にも普段の掃除方法として、「キッチンには、重曹スプレーとトイレットペーパーを置いておきましょう」とアドバイスしてくれた。キッチンの汚れはたまってしまうと取りにくいため、日々気づいた時に、重曹が入った水を拭きかけ、ペーパーで拭き取ることを心がけるといいのだという。
子育ての相談に乗ることも
体を使う仕事がしたいと、1年半前から家事代行を始めた茅野さんは、仕事のやりがいについて、「お客さまに、その場で『ありがとう』と言ってもらえるのがうれしい」と答えた。若い共働きの子育て世帯を担当することが多く、主婦の経験、子育ての経験をいかして、時には客の親のような気持ちで、家事や子育ての相談に乗る機会も多いとのこと。
「共働きで忙しいと、子どもの食事はがんばって作っても、掃除には手が回らないことが多いです。掃除以外にも、洗剤を詰め替えたり、ネット通販でたまってしまった段ボール箱の処分をしたりして、お手伝いしています」と茅野さん。部屋がきれいになるだけでなく、忙しくて余裕のない心まで、あたためてくれそうだ。
ちなみに、東京都を中心に家事代行サービスを提供している同社では、1時間2,190円からサービスを利用できるとのこと。"逃げ恥"ブームで、スタッフへの応募も普段の2倍ほどに増えているという。中でも目立つのは、学生も含む若年者からの応募で、研修などを通して、家事のスキルを光らせているとのことだ。
年末には大掃除が待ち構えている。仕事や子育てにがんばるママたち、家事代行を利用して、少し自分に"ご褒美"を与えてあげても、いいのではないだろうか。