米Appleは12月12日(現地時間)、tvOSのアップデート「tvOS 10.1」の提供を開始した。「テレビの未来はアプリ」という同社のビジョンを前進させる新しいアプリ「TV」を追加する大きなアップデートである。ただし、現時点でTVアプリの機能は米国でしか利用できない。

10月のスペシャルイベントでAppleが公表したデータによると、tvOS向けアプリはすでに8000本を超えている。カテゴリー別トップはゲーム(約2000本)だが、ビデオコンテンツを扱うアプリも1600本に達する。Apple TVを通じて楽しめるビデオコンテンツが質・量ともに充実する一方でアプリの増加による問題も。コンテンツ管理が難しくなって、たくさんのアプリにコンテンツが埋もれて見始めたドラマの続きを見逃すということが起こり得る。TVアプリは、そうした問題を解消するためにAppleが用意したアプリだ。

一言で言い表すと「テレビとビデオコンテンツのポータル」だ。Hulu、HBO Now、CBS、ABC、Foxといった対応アプリで視聴できるビデオコンテンツの中から次に見るべきコンテンツにユーザーを導く「Watch Now」、iTunesでレンタル・購入した映画やテレビ番組が並ぶ「ライブラリ」、ダウンロードされていないビデオ配信アプリからのおすすめやiTunesの最新リリースを紹介する「Store」の3つのセクションで構成される。視聴できるコンテンツ、視聴中のコンテンツ、そして視聴すべきコンテンツに一カ所からアクセスでき、また新しいコンテンツを発見できる場である。

たとえば、政治好きな人へのお勧めの中からドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」を見始めると、TVアプリから直接、HBO Nowアプリの「ゲーム・オブ・スローンズ」第1話に移動し、自動的に再生が始まる。リモコンのTVボタンを押すとTVアプリに戻る。見始めたドラマはTVアプリの「次はこちら」に視聴中または次のエピソードが表示されるので、すぐに続きの視聴を再開できる。

TVアプリには同じ機能を提供するiOS用アプリも用意されており、クラウドを通じて視聴情報などが同期されるので、iOSデバイスに変えても、TVアプリで「次はこちら」を確認するだけで視聴中のドラマの続きを楽しめる。