2016年12月12日(月)、「ダンスキューブ・カフェ」にて、「ダンスキューブ・カフェ」とテレビ朝日にて現在放送中のTVアニメ『ユーリ!!! on ICE』のコラボを記念したスペシャルトークショーが開催された。

本トークショーには、原案・ネーム(脚本原案)・キャラクター原案を務める久保ミツロウ氏と、フィギュアスケート振り付けを務めるコレオグラファーの宮本賢二氏が登壇。会場には、フィギュアスケートアニメーション担当・立中順平氏、安彦英二氏の原画初展示に加え、今回のトークショー開催を記念して制作された、『ユーリ!!! on ICE』の主人公・勝生勇利のFS(フリースケーティング)衣装がお披露目された。

山本沙代監督をきっかけに久保氏に出会い、そこから半年ほどで『ユーリ!!! on ICE』のフィギュアスケート振り付けの打診があったという宮本氏。アニメの依頼ということで、最初はスピンをすると竜巻が起こる、などの"ファンタジーフィギュアスケートアニメ"を想像したとのことだが、リアルな描写を追求したいとの山本監督・久保氏の熱意を感じ、「すぐに受けようと思った」という。振り付け作業についてのトークでは、フィギュアスケートリンクを深夜に貸し切り、夜中から朝方まで約1週間ほど行ったという強化合宿の話に。アニメの制作会社のスタッフがほぼ貫徹で撮影作業を行っていたり、宮本氏が初日から肩を痛めたり、とにかくハードだったという一方で、そのスタッフの服装がスキニージーンズやロールアップジーンズで、「寒いだろ絶対!」と宮本氏がツッコミを入れたなど、大変ながらも楽しかったという現場の様子が語られた。トーク中には、宮本氏が来場者の男性からの熱い視線を受けて「恥ずかしいのでメガネを外していいですか」と、笑いを誘う一場面が。終始アットホームな雰囲気で進行した。

具体的なキャラクターの振り付けにまつわる裏話も披露され、まだ本編では演技シーンが描かれていないカザフスタン選手、オタベック・アルティンのFS(フリースケーティング)ではなんと「"建国"をイメージして欲しい」と依頼され、壮大なイメージという構想の末に"農業"を連想したとのこと。こちらのFSは11話以降、作中のグランプリファイナルに登場予定となっているので、しっかりチェックしておきたい。

その流れで、オープニング映像で勇利、ヴィクトル、ユリオが踊る振り付けは、イタリア代表選手、ミケーレ・クリスピーノの振りと勇利の振りが合わさったものである、というエピソードも明かされ、会場からは驚きの声が。オープニングテーマ「History Maker」が三拍子なので、その繋がりで採用されたとのことだった。『ユーリ!!! on ICE』への周囲からの反応は? というテーマについては、「リアルフィギュアスケーター達が本当に見ている」とのことで、海外選手にも「賢二、ユーリ見てるよ」と声をかけられたり、「ユーリの賢二だ」と言われる、と明かした宮本氏に久保氏が歓喜の声を上げる一幕も。

今回初展示となった勝生勇利のFS(フリースケーティング)衣装にも、熱い視線が注がれ、実際の演技にも使用できるというクオリティで制作された本衣装は、インナーが透け素材になっているセクシーっぷり。会場からは黄色い歓声が沸き、久保氏は「ゆくゆくは衣装展をやりたい。衣装も振り付けもオリジナルで、それぞれに意味付けを持たせているから、自信を持ってお出しできる」と今後の野望をのぞかせた。

その後は宮本氏によるプレゼント抽選会へ。本編内で日本のフィギュアスケート選手、南 健次郎も着用している宮本氏のプロデュースブランドCharme JAPAN(チャームジャパン)のTシャツが、"遠方から来た方にプレゼントしたい"との久保氏の希望に応えて来場者に住まいを尋ねると、なんと北海道、新潟、静岡、茨木などの県名が次々と飛び出し、久保氏も大驚き。日本中から集結したファンに、改めて本作の人気を伺うことができた。

大盛り上がりのトークショーは、まもなくクライマックスを迎える本編への応援を呼びかける形で閉幕。放送は残すところ2話。視聴者の予想を超える展開を生み出し続ける本作が、どのような形で結末を迎えるのか、要注目だ。

なお、12月30日(金)に発売されるBlu-ray&DVD第1巻には、宮本賢二氏の振り付け映像も収録。また、『ユーリ!!! on ICE』の世界を彩る劇中曲をまとめた『Oh! スケトラ!!! ユーリ!!! on ICE/オリジナル・スケートソングCOLLECTION』も12月21日(水)に発売予定で、こちらの歌詞カードには、英語曲の公式日本語訳も入っている。各詳細はアニメ公式サイトにて。

(C)はせつ町民会/ユーリ!!! on ICE 製作委員会