ビールは、居酒屋で「取りあえずビール」というくらい、揺るぎない地位を誇るお酒だ。日本で作られたビールは"そのものの味"を大事にされることがほとんどだろう。しかし、ビールとジンジャーエールを混ぜた「シャンディ・ガフ」など、ビールにさまざまなものを混ぜたカクテルも海外から伝わっていて、人気が高い。それでは、そのほかに「日本ではまだあまり知られていないが母国にはある、意外なビールの飲み方」はあるのだろうか。日本在住の外国人20人に聞いてみた。
甘いものと混ぜて飲む
・「コーラ等、甘い物を混ぜることもあります」(ブラジル/20代後半/男性)
・「果物のアイスキャンディーを常温のビールに入れる。目的はビールを冷やすためと、ビールの苦みを抑えるため。実際、シャンディ・ガフみたいです(※以前見たことはあるが、最近はあまりないです)」(中国/30代半ば/男性)
他のお酒を混ぜて飲む
・「ビールとウォッカを混ぜて飲む人はたまに見かけていました」(ウクライナ/30代前半/男性)
・「ビールを焼酎で割って飲む。ビールだけよりもずっとおいしいと感じるが、これはただ韓国のビールがおいしくないのが原因かも」(韓国/20代前半/男性)
氷を入れて飲む
・「ビールに氷でしょうか。暑い国なので、やはり味よりひんやり感がいいようです」(タイ/30代前半/男性)
・「ビールに氷を入れる」(ベトナム/20代後半/男性)
飲み方に特徴アリ
・「Shot Gun(ショット・ガン)という、ビール缶の横側に鍵などで穴をあけて、その穴に口を付けてから缶のふたを開ける。そうすると、一気に飲まないと大変なことになります。これは、ほとんど大学生ぐらいの年齢の男性がやっていること」(アメリカ/30代前半/女性)
・「人によって、ジャンケンに似たような遊びをしながら飲む習慣がある。負けたら一杯飲まされる」(台湾/20代後半/女性)
・「ビールのグラスが丸くて、置けないようになっているビールがあります。飲み切るまで置けないビールです」(フランス/30代前半/男性)
・「大勢でカラオケやレストランに行くと、ビールは半ダースでオーダーするのが一般的です。ビール瓶が氷の入ったバケツに突き刺さってやってきます」(香港/20代後半/女性)
ビールにこんな歴史的影響も!?
・「ハンガリーでは、160年間ビールでは乾杯しなかった。その理由は、1848年にあったハンガリー革命と、戦争で処刑されたハンガリー人の戦士たちのためです。ビールは基本的にハプスブルクの飲みものとして有名で、イメージもゲルマン系ですね。戦争で負けてしまったハンガリーは、こうして無言にハプスブルクに対して反対の声を上げた」(ハンガリー/30代前半/女性)
変わった飲み方はない
・「特にないと思います。ビールは普通に飲みますが、飲み方として生がほとんどです。食卓でのお酒と言えば、ワインがメインです。年配の世代ですと、ワインにパンなどを浸して食べる人もいます。グラッパという強いお酒は食後のコーヒーに少しだけ入れて飲む人もいます」(イタリア/30代前半/男性)
・「ありません。宗教上の理由でビールを飲む習慣はありません」(インドネシア/40代前半/女性)
・「私はビールが好きではないので飲みません。スペインでビールが好きな人たちの中で変わった飲み方を見たことがありません」(スペイン/30代前半/女性)
・「私はビールが飲めませんし、私の周りに変わった飲み方をしている人も見たことがありません」(ルーマニア/30代前半/女性)
・「変わったビールの飲み方はないと思います」(フィリピン/40代前半/女性)
・「特にないです」(モンゴル/30代前半/男性)
・「特にありません」(インド/40代前半/男性)
・「ない」(パラグアイ/30代前半/女性)
・「ない」(ロシア/20代中半/女性)
総評
今回のアンケートでは、混ぜるだけでなく、飲み方としても意外なビールの飲み方が登場した。混ぜ物として特に面白いのは、中国の方の回答の「アイスキャンディを入れる」や、より強いお酒をビールで割るウクライナ・韓国の方のものではないだろうか。特に後者は、ビールがすでにジュース程度の感覚に陥っている気がする。また、「氷を入れる」というタイ・ベトナムの方の回答も面白い。どちらも暑い国であるがゆえだろうか。
飲み方では、「負けたら一杯飲む」や「缶に穴を開けて飲む」など、まさに大学生のノリの方法が登場した。どこの国でも若者は、ビールでふざけた遊びをしたがるものらしい。さて、あなたが試してみたい飲み方はこの中にあっただろうか。
調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート
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