説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『アプリの画面が突然消えたけど、なにが起こったの?』という質問に答えます。

＊＊＊

アプリを使っていたところ、突然画面が消えてホーム画面に戻ってしまった経験はありますか? それなりにiPhoneを使いこなしていれば、一度は経験があるのではないでしょうか。App Storeからダウンロードした(サードパーティー製)アプリ、それも公開から間もないもので起こりがちな現象ですが、iOSに付属のアプリでも発生することはあります。

この現象は、多くの場合「クラッシュ」によるものです。クラッシュとは、意図しない形でソフトウェアが動作を停止してしまう異常終了であり、多くの場合オペレーティングシステム(iOS)の判断で強制的に実行されます。メモリ上に確保されていたアプリの作業領域は放棄されてしまうため、クラッシュ直前におけるアプリの作業内容は失われてしまいます。

クラッシュの原因はさまざまですが、アプリの設計上の不具合、いわゆる「バグ」が引き起こすケースが多いようです。アクセス違反(メモリ上での不正な処理)やメモリリーク(使用メモリ量が増え続けること)など、バグにより予想外の動作が生じてしまい、システムに悪影響を及ぼすと判明した時点でアプリが強制終了されるというわけです。強制終了はシステムの判断で即座に実行されるため、ユーザには唐突にアプリ画面が消えたとように映ります。

iOSの場合、起動中のアプリが使用する領域はシステムに悪影響を及ぼさない部分(サンドボックス)に限定されますから、どれだけクラッシュしてもアプリ本体が書き換えられたり消滅したりということはありません。もう一度起動すれば、なにごともなかったかのように動作するはずです。ただし、システムはアプリの異常終了を記録しており、『設定』→「プライバシー」→「診断と使用状況」→「診断データと使用状況データ」の順に画面を開けば、そのとき記録されたシステム情報(ログ)を参照できます。

アプリがクラッシュしたときの情報は、履歴として残されています