子育て世帯のボーナス活用法って?

待ちに待ったボーナスの時期! 何を買おうか、どこへ行こうかと、思いを巡らすのも楽しいですね。2016年11月に経団連が発表した冬のボーナスの第1回集計額は、平均92万7,892円。あくまで大手企業の組合員平均で、ボーナス金額はそれぞれですが、大きな金額であることは間違いありません。

そこで今回は、子育て世帯のボーナス活用法について紹介します。

冬のボーナス、何に使う?

ボーナスの使い道は決まっていますか? 「価格.com」の調査によると、2015年・冬のボーナス平均消費金額の1位は「貯金」。4人に3人はボーナスの一部をしっかり貯金しているということです。ボーナスの使い道のランキングは、下記の通りとなっていました。

冬のボーナス消費平均金額(複数回答可)

1位: 貯金 20万7,182 円(74.4%)
2位: ローン返済 18万355 円(35.9%)
3位: 子どもの教育費 15万1,351 円(31.3%)
4位: 金融商品(投資信託、株式等)の購入・外貨預金など 1万5,000円(14.7%)
5位: 旅行・外出をする(国外) 115,613 円(11.1%)
6位: 新規ローンを組む 11万2,368 円(4.1%)
7位: 金融商品(投資信託、株式等)の補填 9万9,522 円(8.2%)
8位: 商品・サービスを購入する 7万4,417 円(69.4%)
9位: 旅行・外出をする(国内) 5万4,991 円(39.3%)

※()はその目的にお金を使うと答えた人の割合
※平均消費金額は「お金を使う予定はない」と答えた回答者数を除いて算出

消費平均金額をみると、「貯金」と同じく「ローン返済」と「子どもの教育費」が大きな金額となっています。ボーナスと言えば、旅行や欲しい商品を買うなど、思う存分使うイメージがありますが、調査結果から堅実なボーナスの使い方をしている世帯が多いことが分かります。これらを踏まえ、子育て世帯のボーナス活用法をご紹介しましょう。

教育費のためにボーナスはいくら残すべき?

子育て世帯にとって、教育費は大きな支出。月々の収入だけでは、ギリギリになってしまうと感じているご家庭も多いのではないでしょうか。だからこそ、ボーナスを活用しながら、乗り切りたいものですね。

でも、お楽しみも欲しい! そんな時、安心してボーナスを使うためにも、教育費のためにどのくらい残しておくのがいいのかは、気になるところですね。教育費は、子どもの人数や教育方針によってさまざまですが、最も費用がかかると言われる「大学費用」をボーナスで貯めておくというのも、ひとつの活用法です。

では、どのくらい大学費用がかかるのでしょうか。文部科学省の調査によると、大学に支払う学費の平均額は下記のようになります。

・国立大学  約240万円
・私立文系  約390万円
・私立理系  約520万円
・私立医歯系 約2,250万円

大学進学の場合は、大学に支払うお金だけではなく、受験費用や新生活準備にかかるお金、下宿代や留学費用など、文部科学省の調査結果には含まれないお金も多くあります。だからこそ、ボーナスからコツコツ貯めておくことをお勧めします。

例えば、夏のボーナス15万円、冬のボーナス15万円を貯めておくと、15年で450万円になります。このように具体的に計算して、計画的にボーナスから先取り貯金をすることで、安心感にもつながります。ボーナス先取り貯金ができれば、残りのボーナスは、家族の旅行やお楽しみに安心して使えますね。

年払いでお得に保険料を支払う

生命保険や医療保険などの保険は、月々保険料を支払うのが一般的です。しかし保険料は、月々支払うより、年払いの方が同じ保険に加入していても、安くなるのでお得です。ボーナスの時期に考えてみるのはいかがでしょう。

保険料が安くなる順番としては「一時払い<年払い<月払い」です。

例えば、私が診断した、ある貯蓄タイプの保険を例にご紹介します。

・男性
・35歳で加入
・終身保険(低解約払戻金型・10年払い)
・死亡保障額500万円

この保険の場合は、10年間の保険料支払いを月払いから年払いにするだけで、約6万円節約できました。子育て世帯では、貯蓄タイプの保険の他にも、医療保険などに複数加入している方も多いと思います。具体的にどのくらい安くなるかは保険商品によって違いますが、長い目でみると万単位で変わる場合もあります。

既に契約済みの場合も、支払い方法の変更が可能ですので、手続き方法を保険会社に確認しましょう。

最初にすべきは"分ける"

「ボーナスも入ったことだし、まぁいいか」と、ボーナス直後はついつい気持ちが大きくなりがちです。確かに、日頃のがんばりをねぎらうお金の使い方も大切。まずは、「使うお金」と「貯めるお金」をしっかり"分ける"ことからはじめましょう。

1.使うお金
2.1年以内に使うために貯めるお金
3.教育費など中長期的に貯めるお金

このように、用途をしっかり分けることで「いつの間にかなくなってしまった!」という事態を避けることができます。ポイントとしては、目で見た状態でも分けておくこと。

・口座を分ける
・家計簿やエクセルで用途別の貯蓄額を管理する

といった方法で見える化をしていきましょう。

「今」を楽しむお金と「将来」へ備えるお金を、まずはしっかり意識して、ボーナスを振り分けてみましょう。金額の多寡ではなく、しっかりと意志を持った選択をすることが、満足度の高いボーナス活用法の鍵となります。メリハリあるボーナスの使い方、ぜひ考えてみてくださいね。

※参考
価格.comリサーチ「冬のボーナス2015」
文部科学省「平成26年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」 「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令 平成28年改正」

※写真はイメージで本文とは関係ありません

著者プロフィール

マイライフエフピー代表 加藤葉子
子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、ファイナンシャルプランナーの育成にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。