トヨタ自動車は6日、TNGAによりエンジン、トランスミッション、ハイブリッドシステムを一新し、2017年以降に主要モデルへ搭載すると発表した。クルマの基本性能を向上させ、パワートレーンだけで動力性能を10%、燃費を20%向上させる。車両側の改善でさらなる性能向上も図る。
トヨタは2015年発売の4代目「プリウス」から新プラットフォーム「TNGA」を採用。クルマの基本性能である「走る」「曲がる」「止まる」をレベルアップさせるために、パワートレーンまで含めた基本構造を全面的に見直す取組みを実施している。今回、新開発したパワートレーンは軽量・コンパクト化、低重心化、高速燃焼、トランスミッションの多段化・高効率化などを徹底的に見直すとともに、モジュール設計(統一設計)を取り入れた。
発表されたのは、2.5リットル直列4気筒直噴エンジン、8速および10速オートマチックトランスミッション、ハイブリッドシステム(THS II)など。直列4気筒直噴エンジンでは高速燃焼やエネルギーロスの低減により熱効率を向上させ、世界トップレベルの熱効率40%を達成。ハイブリッド用エンジンはさらに熱効率が高く、41%を達成した。
これらの新型ワートレーンは動力性能を約10%向上させながら、同時に燃費を約20%向上させている。これはパワートレーンによる寄与分であり、車両搭載時は空力性能や軽量化など車両トータルでの進化により、動力性能と燃費のさらなる向上を図る。
トヨタは2021年までにエンジンを9機種・17バリエーション、トランスミッションは新機構の無断変速機(CVT)など4機種・10バリエーション、ハイブリッドシステムは6機種・10バリエーションの投入を予定。トヨタ単独の年間販売台数の60%以上に搭載していく。