ときどき、データは面白い事実を語ることがある。ある製品に関する販売台数のシェアは、その業界の勢力図を示すことが多い。つまり、販売シェアと収益や利益のシェアは連動することが多い、というのは一般的な見方だろう。ところが、スマートフォン市場では、全く異なる様相を呈している。
営業利益でダントツのアップル
アップルのiPhoneは、iOSを採用する唯一のスマートフォンであり、世界シェアはせいぜい10%台前半程度という状況が続いている。Strategy Analyticsによると、2016年第3四半期のOSシェアにおいてアップルは12%だった。それ以外はグーグルが開発するAndroidで占められている。
ところが、スマートフォンメーカーでの営業利益においてアップルは91%を占めた。このデータによると、スマートフォンメーカーで収益を上げているのは、アップル、ファーウェイ、ビーボ、オッポで、アップル以外は中国新興メーカーで占められている。サムスンはGALAXY Note 7の発火による販売停止と回収で、利益を大幅に減少させた。
また、LGはスマホ部門で約402億円、HTCも約65億円の損失を出している。こうした赤字メーカーも含めてスマートフォンメーカーの利益シェアを再計算すると、アップルの利益シェアは103%になってしまう(BMO Capital Marketによる)。