三省堂は12月5日、「2016年を代表する新語ベスト10」を発表した。
「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2016』」によるもの。新語の選定にあたっては一般からの公募を行い、応募総数は延べ2,834語となった。これらの投稿を対象に、辞書編纂のプロである選考委員が一語一語厳正に審査し、「今年の新語2016」ベスト10を選定した。ベスト10には、実際の編者から「国語辞典風味」の語釈(語の解釈・説明)が与えられた。
大賞には「ほぼほぼ」、2位「エモい」、3位「ゲスい」、4位「レガシー」が選ばれた。
ほぼ ほぼ [0]【《略略》・《粗粗》】(副) 問題となる事柄に関して、完璧だというわけにはいかないが、こまかい点を除けば、その人なりに全体にわたって妥当だと判断される様子。〔「ほぼ」の口頭語的な強調表現〕 「工事は━予定どおりに進んでいる/不正融資のからくりが━明るみに出された」
―『新明解国語辞典』風
ほぼ ほぼ(副)〔俗〕「ほぼ」をくり返して、気持ちを強めた言い方。「定員が―埋(ウ)まった」〔二十世紀末から例が目立ち、二〇一〇年代に広まった〕
―『三省堂国語辞典』風
ほぼほぼ〈副〉自分の見るところでは、かなり確実に、また、その程度までかなり近く。「締切までには―間に合うと思います・―八割がた完成です」[副詞「ほぼ」を繰り返したもの。「ほぼ」よりも話者自身の観点や期待がこもるぶん、話しているほうでは度合いを高めているつもりでも、受けとるほうからは不安に思われる場合もある]
―『三省堂現代新国語辞典』風
エモ・い [2] (形)〔emotionを形容詞化したものか〕 〔音楽などで〕接する人の心に、強く訴えかける働きを備えている様子だ。「彼女の新曲は何度聴いても━ね」
―『新明解国語辞典』風
げす・い[ゲスい](形)〔俗〕ゲスな感じだ。下品だ。やりかたが きたない。えげつない。「―下(シモ)ネタ・―質問」〔江戸時代からあり、二十一世紀に はいって特に多く使われる ことば〕
―『三省堂国語辞典』風
レガシー〈名〉[legacy]あるイベントのためにつくった施設が、のちのちまで再利用できること。また、その施設。「五輪後の―になれるかを議論する」[英語本来の意味は、「遺産」「遺物」]
―『三省堂現代新国語辞典』風
次いで、5位「ヘイト」、6位「スカーチョ」、7位「VR」、8位「食レポ」、9位「エゴサ」、10位「パリピ」。選外として「神ってる」「チャレンジ」「IoT」があった。5位以下の語釈は同社サイトに掲載されている。