Amazonプライム・ビデオで現在全13話を配信している『仮面ライダーアマゾンズ』は、そのショッキングな内容やハードアクションが配信開始とともに話題を集め、TOKYO MXとBS朝日でテレビ放送(短縮再編集版)されたほか、2017年2月8日にはBlu-rayとDVDとして発売が決定している。そんな中、『アマゾンズ』初のファンイベント「仮面ライダーアマゾンズ スペシャルイベント A to M Open Your AMAZONS」が11月22日に中野サンプラザにて開催され、多くのファンたちが詰めかけた。ここでは、3時間にわたってテンション高めで突っ走ったイベントの模様をお届けしよう。
製薬会社の起こした事故により、街に解き放たれた4,000体もの実験生物「アマゾン」。彼らは普段、人間の姿で社会に紛れているが、ひとたび"覚醒"すると人間の肉を食らう凶暴な姿に変わってしまう。これらアマゾンを人知れず"狩る"ため、金で雇われたはみだし者集団~通称「駆除班」が活動する中、水澤悠、鷹山仁という2人のアマゾンが出現。すべてのアマゾンを狩る宿命を持った仁はアマゾンアルファに。アマゾンも人間も、「守りたい者を守る」と宣言する悠はアマゾンオメガに変身。立場も主張も異なる2人は、お互いの生き方に触れることで影響を受けあっていく。狩らなければ、狩られる。食うか食われるかの激しい戦いに、希望は見いだせるのだろうか……。
「オープニングアクトステージ」では、アマゾンオメガ、アマゾンアルファ、モグラアマゾンたちによる迫力のバトルアクションがステージいっぱいに展開。そして番組キャストトークショーに先駆け、悠役の藤田富、仁役の谷口賢志や駆除班の面々も登場してファンの歓声を浴びていた。
キャスト陣が撮影を振り返る。アマゾンの心臓の味は……
アクションステージの興奮冷めやらぬまま、イベントは「番組キャストトークショー」に突入。第1、2話で駆除班メンバーとして出演(大滝竜介役)した馬場良馬が司会進行を務める中、まずはアマゾンオメガ/悠役の藤田富、アマゾンアルファ/仁役の谷口賢志、水澤美月役の武田玲奈、泉七羽役の東亜優が登壇した。
配信およびテレビ放送が終了した現在、周囲からの反響を尋ねられた藤田は「配信が始まってすぐ、SNSなどで大勢の方が感想を書いてくれたりして、うれしかった」と感想を述べた。それぞれの役を演じた感想を問われると、藤田は「悠は引きこもりの状態から次第に野生に目覚めていくキャラクター。僕もパソコン部で部屋にこもりがちなところがあったので、楽しく演じることができた」と笑顔で語った。悠がアマゾンオメガとして戦う道を歩む様子を心配することが多かった美月について、武田は「精神的にも体力的にも成長していく悠を追いかけ、美月自身も成長することができた」と振り返った。
谷口は「第1、2話の石田(秀範)監督から最初に聞いた仁の人柄が、"ヒモでアル中で人殺し"(笑)。これを聞いた時、僕も大変だと思いましたが、そんな男を支える七羽さんのほうがもっと大変だと思った」と、パートナーへ配慮するひと幕も。東は「こんないい女を演じられるのかと不安でしたが、監督の演出や、仁さんがおいしそうにご飯を食べてくれたので、うまく役が仕上がったのではないかと思います」と満足げに語った。谷口と東は好きなシーンとして第13話の「ひざまくら」を挙げ、このときの芝居が台本通りではなくアドリブを連発していたことを明かしていた。また、仁が第13話で食べていたアマゾンの心臓の味は「甘かった」という、衝撃的な事実も明らかとなった。
続いて、個性的なキャラクター同士がひしめきあって絶妙なハーモニーを作り出していた「駆除班」チームが登壇。志藤真役・俊藤光利、マモル役・小林亮太、高井望役・宮原華音、三崎一也役・勝也、福田耕太役・田邉和也、前原淳役・朝日奈寛に加えて、大滝竜介役の馬場良馬もトークに加わった。
モグラアマゾンに変身して同類であるアマゾンを狩るマモル役の小林は、配信での反響として「原宿の洋服屋に行ったとき、店員さんから『あっ、マモルくんですか!?』と言われた」とさわやかな笑顔で答えた。
駆除班の紅一点・高井を演じ、もっとも激しいアクションを披露していた宮原は「中学生の方から『あっ、アマゾン!』と言われたことがありました。どうせなら駆除班って言われたかった」と語って周囲を笑わせた。アクションについては「男性メンバーには絶対負けないと思い、頑張りました。大変なことが多かったのですが、楽しかったです」と自信をのぞかせた。
第2話で馬場の演じる大滝/トンボアマゾンに殺されるが、のちにアマゾンシグマとなって死から蘇った前原を演じた朝日奈は「大学の後輩からシグマ先輩とか、下手したらシグマと呼び捨てされるようになりました」と苦笑いしながら語った。
口が達者でおしゃべりの三崎を軽妙に演じた勝也は、気に入っているシーンを尋ねられて「やっぱり、マモルに(腕を)食われるところですね。心理的なところもありますし、マモルを可愛がって信頼していただけに、思いが強いシーンです」とコメント。
読書を愛する物静かな男・福田を演じた田邊は、駆除班の装備である膝パットを外し忘れたまま(?)登壇したことで周囲から強烈なツッコミを入れられつつ、「自己主張する駆除班の中で、福田は無口で、一人静かに本を読んでいるようなクールな人物。メンバーが撮影の合間でも常にコミュニケーションをとってくれて、この中ならもっと自然な感じでいいなと思った」と、実際に駆除班メンバーのチームワークがいいことを明かした。
寡黙で仲間思いなリーダー・志藤を演じた俊藤は、次々に熱いトークを繰り広げるメンバーを常に笑顔で見つめ、時にツッコミを入れるという役そのままの兄貴分的存在感を発揮。駆除班を象徴するセリフとしてリクエストされた「狩り、開始」を渋く決めてみせ、観客の拍手を誘った。
白倉P&脚本・小林氏も交えたスタッフトーク
次のコーナーは少し趣向を変えて、ステージに設けられたバーのセットの中で俊藤がマスター、谷口が馴染み客という設定で入り、『アマゾンズ』の白倉伸一郎プロデューサーと脚本家の小林靖子氏をゲストに招いてのスタッフトークに突入。
白倉氏は『アマゾンズ』のメインキャラクター(オメガ、アルファ)を作るにあたり、「まず、ひと言で対比がわかるキャラクターにしたかった」と語り、何度も打ち合わせを重ねた結果、たどり着いたキーワードは「ヒッキー(ひきこもり)」とヒモ」だったが、さらなる検討の結果「養殖と野生」に落ち着いたと、新ヒーロー創造の秘密を打ち明けた。また、キャスティングについて白倉氏は、「藤田は悠役でなかったとしてもぜひ使いたい俳優だった」と話し、「武田玲奈ちゃんは石田監督が見た瞬間『かわいいね!』と惚れ込んで起用した」と明かしていた。
「靖子にゃん」のニックネームで呼ばれ、熱烈なファンがいる小林氏は、谷口とは1999年の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』で会って以来親しくしているが、脚本家と俳優としては17年ぶりとなる。そのため小林氏は仁役が谷口と聞いたとき「あの当時のお芝居しか知らないから、最初はとても心配だった」と語り「シナリオの読み合わせに立ち会ったとき、演技ちゃんとできてたね。よかったよかった」と安心したことなどを、包み隠さず明かしていた。
製作陣のトークということで、ファンとして気になるのは『仮面ライダーアマゾンズ』のシーズン2の続報。だが、白倉氏は「舞台はシーズン1の5年後か10年後」。小林氏は「仁は出てこない」などと、事実なのかウソなのかわからないような発言を多発して、谷口や観客たちを混乱させるひと幕があった。果たしてシーズン2がどのような舞台になり、シーズン1のレギュラー陣の再登場があるのか、それはまだ現段階では何もわからないということだろう。今後、徐々に明らかにされるであろうシーズン2情報を楽しみにしたいところだ。
キャスト勢ぞろいの「ぶっちゃけキャストトーク」
トークショーの最後は、キャスト陣が勢ぞろいしての「ぶっちゃけキャストトーク」コーナー。ここで谷口は「キツかったこと」として「東映撮影所に行くと、日曜の朝にやっていた『仮面ライダーゴースト』の出演者たちと会うこと」を挙げ、「キラキラした輝きを持った若いキャストたちが、輝いてない俺たちを見たとき」という世代間のギャップを痛感していた。
また東は、「仁さんに生卵を食べさせたことが精神的にキツかった」と言いつつ、アマゾンドライバーと生卵を用意して谷口に劇中シーンの再現を要求。谷口は苦笑しつつもドライバーで卵のカラを割り、みごと生卵を飲み込んだ。
さらに「アマゾンズの登場人物で恋人にしたい人は?」という質問に、東は「仁さん……。(ヒモじゃなくて)働いている仁さんがいい」と回答。武田も「ガツガツした野性味のある仁さんに魅力を感じます」と仁の高い人気を裏付けるコメントを発表した。宮原は「まず駆除班にはいない(笑)」と前置きしつつ「実はアクション監督の田渕(景也)さん! あとアマゾンシグマなどのスーツアクションをされていた荒川(真)さん!」とファンも納得の回答をしていた。
イベントの最後は『アマゾンズ』主題歌「Armour Zone」を歌うシンガーの小林太郎によるスペシャルライブとなり、史上初となる生演奏、生歌による「Armour Zone」をはじめ、小林がもっとも思い出深い仮面ライダー主題歌『仮面ライダークウガ』のハードロックアレンジバージョン、そして小林のオリジナルナンバー数曲を熱唱。会場を熱狂の渦に巻き込んだ。アクションショー、トークショー、スペシャルライブの3部で構成された盛りだくさんな内容の『仮面ライダーアマゾンズ』イベントは、こうして3時間もの長丁場を熱気に満ちたまま終了し、来たるシーズン2へとファンの期待をつないだのであった。
今回のスペシャルイベントの模様は、2017年3月8日より東映ビデオにて、DVDソフトとして発売されることが決定。イベント内容の完全収録に加えて、映像特典には舞台裏トークや終演後のコメントが収録される。価格は6,264円(税込)。
そして、『仮面ライダーアマゾンズ』オリジナル版全13話のBlu-ray COLLECTION(2枚組+ボーナスディスク)は2017年2月8日発売(21,384円/税込)。封入特典に16Pブックレット、映像特典には製作発表会見の様子や、撮影メイキング、データ&デザイン画集など多彩な内容が収録されている。
(C)石森プロ・東映