間取りやインテリアの参考になる風水ですが、意外と"気"や"陰陽"といった言葉の意味はわかりづらかったりしますよね。前々回の「陰陽」、前回の「五行・基礎編」に続き、今回は五行の相性について紹介します。
五行には相性がある
さて、「木」「火」「土」「金」「水」から成る五行には、それぞれ相性があります。2つの気が出会うと、まるで化学変化でもするようにエネルギーも変化します。
時間、空間にもエネルギーが存在し、また人間そのものにもエネルギーが宿っているため、その影響を相互に受けるとうのが陰陽五行説の考え方です。表裏一体の"陰"と"陽"と同じく、五行も互いにつながり合い、影響を受けています。 その関係性には、「相生(そうしょう)」「相剋(そうこく)」「比和(ひわ)」の3種類があります。
相生とは
まず紹介するのは、「相生」。これは、循環し発展する吉相です。
・「木」は「火」を生み燃やします(木生火)
・「火」は燃えて灰となり「土」となります(火生土)
・「土」は鉱物「金」を生みます。(土生金)
・「金」はやがて腐食して「水」に帰ります(金生水)
・「水」は潤し「木」を育てます(水生木)
このように、「木」→「火」→「土」→「金」→「水」の順番で気が流れ循環します。これが、物事がうまく運び、発展する理想的な形となります。
しかし、注目しておきたいのは、相生には"一方が弱まり、一方が強まる"という2つの状態が常にある点です。「木」生「火」の場合で考えてみましょう。
「木」から「火」を見ると、自らのエネルギーを与えている状態です。このときの「木」の状態を「退気」といい、自らが努力し、エネルギーを消耗することでいい結果が得られます。
一方で、「火」から「木」を見ると、エネルギーをもらえている状態になります。この「火」の状態を「生気」といい、周囲からのサポートを受けて成功するなど、自分としてはさほどエネルギーを消耗することなくいい結果が得られます。「退気」を吉とすれば、「生気」は大吉と言えるでしょう。
相生の活用例: 子宝を授かりたい場合
子宝に恵まれたい場合、住まいの中に、"愛情"や"交わり"を意味する「水」のエネルギーを強める流れを作ることがポイントとなります。
「水」のエネルギーを持つ北側の部屋を寝室として、寝具には白を基調としたゴールドやシルバーの刺しゅう入りのものをセレクト。こうした寝具は「金」のエネルギーを持つため、寝室に「金生水」という「生気」の状態を作ることができます。これによって水のエネルギーをアップし、子宝にまつわる幸運を引き寄せます。
相剋とは
逆に、お互いに反発をする関係性もあります。これを「相剋」といい、問題や障害となりやすいため凶相となります。
・「木」は「土」の養分を奪います(木剋土)
・「火」は「金」を溶かします(火剋金)
・「土」は「水」を濁します(土剋水)
・「金」は「木」を切り倒します(金剋木)
・「水」は「火」を消します(水剋火)
「木」→「土」→「水」→「火」→「金」と剋(こく)します。相生と同じく、相剋にも2つの状態があります。「木」剋「土」の場合で考えてみましょう。
「木」から「土」を見ると、自分がエネルギーを奪っている「殺気」という状態になります。「殺気」にあると、自分自身の身勝手な振る舞いにより、問題がおきるとされます。
逆に、「土」から「木」を見ると、エネルギーを奪われている状態になります。これを「死気」といい、自分の意志に関係なくエネルギーが奪われる形となりますので、不測の災難に遭いやすく大凶とされます。
また、相剋の中でも特に注意したのが、「水剋火」の状態です。この剋は、陰と陽がダイレクトに対決する形となり、他の剋よりも作用が急性で大きな影響を与えます。
注意したい相剋の例: キッチン
キッチンは、水回りとコンロが同列に並ぶ性質上、どうしても「水剋火」の相剋となってしまいます。そのままでは、多くの災いの種となる大凶となってしまいます。
流しとコンロの間に植物を置くなどして、木のエネルギーをプラスしましょう。「水→木→火」の相生の関係を作ることで、相剋を回避できます。この開運方法を"化殺"と呼びます。
比和とは
最後に、「比和」を紹介します。比和とは、「木」→「木」というように、同じ気が出会うこと。木が集まって林になり森となっていくように、その気の勢いが強まる関係性です。人間関係に置き換えれば、理解者が現れるなどの吉相となります。
例えば、恋愛や仕事など、最良の出会いに恵まれたい機会には「比和」によってフレッシュな気を持つ「木」のエネルギーをパワーアップさせるといいでしょう。「木」のエネルギーを持つ東や東南に、観葉植物や背の高いオブジェ、緑や青色のものなどを置いて「木」の気を強めてください。
いかがでしたしょうか? 基本的には、「殺気」や「死気」は凶とされています。「失敗は成功のもと」とも言われるとおり、明けない夜はなく、エネルギーは循環していきます。ですので、凶だからといって全てが悪という訳ではないのですが、なるべくなら避けたいですね。風水には、"化殺"という方法で凶を流し、脅威を最小限に抑える考え方もあります。良いことだけではなく、悪いこととも上手に付き合っていきましょう。
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著者プロフィール: 月香(つきか)
ハート占い1to1、ハートスクール1to1主宰。
幼い頃よりさまざま体験を通じて、目には見えない何か不思議な力が存在していることに気づく。
スピリチュアルカウンセラーとして、風水や四柱推命、霊視をしながら、たくさんの方々を鑑定。人は誰でも最良の選択をすることで、幸せを引きよせることができると実感する。
スクールでは、占い師、セラピスト、スピリチュアルカウンセラー、ヒーラーを養成。
モータースポーツにも従事。レーシングチーム、Team Sky Lightに所属。