JR東海は今年度実施する雪対策の内容を発表した。東海道新幹線・在来線ともに新たな取組みを加えて従来より対策を強化し、さらなる安全・安定輸送の確保をめざす。

双方向に除雪可能な新型ロータリーブラシ車(JR東海提供)

東海道新幹線では、車両の前後どちらでも除雪作業が可能な新型ブラシ車を1台増やし、合計4台体制に。従来の除雪車は片側方向にしか除雪できないため、当日中に回送が必要だったが、新型ブラシ車の導入後は回送の必要がなくなり、降積雪の多い岐阜羽島駅から栗東信号場にかけての区間で始発直前までに除雪ができるようになる。

また、車体への着雪量を測定する高解像度カメラを上り線栗東地区の草津川橋りょうに1台増設。撮影画像は東京の指令所に伝送され、それを確認した指令員が列車の適切な徐行速度を判断して列車に伝えるようにする。

在来線では、ロータリー式除雪装置を後部に取り付けた軌道モーターカーを飯田線に新たに1台導入。前部には雪をかき分けて線路外に押し出すスノープラウを取り付け、ロータリーと併用して除雪を行う。これにより、除雪の作業効率が向上するため、積雪時の運転再開を早める効果が期待できるという。

高山本線では、角川駅以北の5カ所に壁からせり出した雪の塊(雪庇)やなだれを防止する柵を新設。雪による線路支障の発生を抑制し、降積雪時の列車運行の安定性を向上させる。これらの対策にかかる費用は、東海道新幹線が約2億8,000万円、在来線が約1億9,000万円。