大塚家具がリユース事業を本格化させる。中古家具といえば価格は安いが品質も値段相応といった印象だが、高級家具店のイメージが強い大塚家具が中古品の取り扱いを始めるのはなぜだろうか。
潜在的な売り手が多そうな中古家具ビジネス
大塚家具は横浜と大阪に「アウトレット&リユース」の店舗を設置してリユース事業に参入したが、反響が良かったことから同事業への取り組みを加速させる。今後はリユース品の取り扱いを全国16店舗に拡大。まずは売上高で月間5,000万円を超える事業へと育てる意向だ。
思い入れのある家具や、品質には自信のある家具を持つ人が、それを処分するのに躊躇しているケースは日本中にありそう。リサイクルショップに頼むのは気が引けるし、ネットオークションは敷居が高いと感じていて、しかるべき買い手を探している家具の所有者も多そうだ。
創業以来、「長く愛せるもの」を届けることにこだわってきたという大塚家具が、そういった想いに応えて中古家具の取り扱いを始めるのは自然な流れといえるだろう。9月8日から10月16日までの期間で実施した「買取り・下取りキャンペーン」には、同社の想定を超える1万6,000件以上の査定依頼が殺到したという。
中古家具はリサイクルショップやネットオークションなどに出回っているが、リユース事業で大塚家具が提示できる差別化ポイントはどこか。大塚久美子社長は「修理する力」と「合理性のある価格設定」の2点を挙げた。