インターネットイニシアティブは24日、MVNOサービスの「IIJmio」において、使わなかった分のデータ料金を減額する新料金プラン「IIJモバイルプラスサービス」を提供すると発表した。容量3GBプランの場合、データ料金は月額900円だが、利用量が1GB未満なら月額500円に減額されることになる。サービス開始は12月1日からで、IIJとしては初めての端末と回線のセット販売となる。
IIJモバイルプラスサービスは、特に「格安SIM」「MVNO」を使ってコスト削減をしたいが、よく分からない、という人をターゲットにしたプラン。まだフィーチャーフォンを利用しているキャリアのユーザーからの乗り換えを想定する。料金プランとしては、MVNOで一般的な3GBと、大手キャリアのフィーチャーフォン向けで一般的な7GBという2つをデータ料金を用意。月額料金はそれぞれ900円、1,700円で、音声通話もする場合は、いずれも月額700円が追加となる。
実際にはデータ料金は、0.5GBごとに100円の従量課金となっており、3GB、7GBを上限として使った分だけの支払いとなる。そのため、月額900円でも使わなかった分しか請求されない。3GBプランも7GBプランも、最低料金は1GB未満の月額500円になる。余ったデータ量を翌月に繰り越せるサービスもあるが、そもそも選択したプランが適切かどうか判断がつかないという声があり、使わなかった分は減額するシンプルな料金体系にした。
上限に達した場合、回線速度は低速にはなるが課金なしで使い続けることもでき、一時的に上限をあげることもできる。最大20GBまで上限を設定できるが、その場合も、使わなかった分の料金は課金されない。上限は毎月リセットされ、もともとのプランの上限である3GB/7GBに戻るため、解除を忘れて高額請求になる、といったこともない。
IIJが「格安スマホモニターイベント」を実施するなどして主婦層にアンケート調査をしたところ、格安SIMやスマートフォンに興味はあるが知識がなくて自分では選べない、という声が多かった。さらに、単純に「安さ」を求めているのではなく、「コスト意識」が高く、必要なものにはお金を払うが、ムダなことにお金は使わず、節約のためには手間がかかっても勉強する、といった傾向があったそうだ。
そこで、使った分だけ支払い、使わなかった分は減額される料金プランを新設。さらにスマートフォンを初めて使う人向けに、IIJが用意した端末と回線とセット販売にすることで、より安心して選択できるようにした。端末と回線はセットだが、相互の割引などはなく、購入方法も一括、分割の選択ができ、通常の端末購入と違いはない。
回線はau回線を利用。SIMカードがマルチタイプで購入時にmicro SIM、nano SIMといった選択が必要ないこと、SMS付きのデータ、音声という2つの種別しかなく、選択肢がないことでシンプルな料金体系が実現できるからだという。au回線を使うため、選べる端末は富士通のarrows M03、ASUSのZenFone 3/Go/2 Laserの4モデル。今後も対応製品は拡大していきたい、としている。
現在使ったデータ量と余っているデータ量が一目で分かるような確認サイトも提供することで、現在の利用料がすぐに確認できるようにもする。そのほか、オプションとして音声定額サービスやセキュリティサービス、コンテンツサービスなどを用意し、状況に応じてユーザー側で選択できるようにした。SIMの追加発行も3枚まで可能。
IIJでは、「提供したい価値は安心と信頼」としており、シンプルで分かりやすい料金プランで、無駄なく使ってもらえることを想定した。端末とのセット販売だが、今後はニーズに応じて回線のみの販売や機種変更への対応も検討する。また、現状はオンライン販売のみだが、量販店などでの販売も検討していくという。