年末の足音が近づいてくると、勤めている会社の経理部などから年末調整のお知らせとともに、「『生命保険料控除証明書』『住宅ローンの年末残高証明書』『給与所得者の住宅取得等特別控除』などがある人は提出してください」と連絡が来ます。

これらの書類を「面倒だから」といって、何も提出しないのははっきり言って損! 年末のボーナスとは別にプチボーナスにもなり得る年末調整でやっておくべきことをご紹介します。

そもそも「年末調整」とは?

会社員の場合、毎月の給与が振り込まれているときに所得税が引かれていると思います。この所得税の額はその年の1月1日から12月31日までの1年間働くことを想定しておおよその所得を割り出して毎月の給料から天引きされています。

毎月引かれている所得税は仮のものですので、これを最終的に計算し直して所得税額を確定させるのが年末調整です。この年末調整で所得税を多く払いすぎているのであれば、還付(お金が戻ってくる)され、足りなければ徴収(支払う)されます。

年末調整に必要な書類は?

平成28年1月1日以後に給与の支払者に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、一定の場合を除き、給与所得者本人、控除対象配偶者及び控除対象扶養親族等のマイナンバー(個人番号)を記載する必要があります。昨年までは必要なかったマイナンバーですが、今年からは求められるので注意しましょう。

年末調整に必要な書類をチェック!

なお、給与の支払者に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」「給与所者の配偶者特別控除申告書」「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」には、給与所得者本人または配偶者のマイナンバー(個人番号)を記載する必要はありません。

自分の分だけではなく、扶養家族がいる場合はその分のマイナンバーも準備する必要があります。もしまだ受け取っていない場合は、早めに所定の場所へ受け取りに行きましょう。

また、各種控除証明書はなくさないように提出するまではしっかりと保管しておきます。年度の途中で扶養家族の増減などがあれば、申告書を提出しましょう。中には不要となるものもありますので、必要に応じて用意をしておいてください。

年末調整で書類を出し忘れたら?

もし、年末調整で各種証明書等を提出し忘れても、確定申告で申告ができます。ただし、自分で書類を作成して税務署に提出する手間があるので、年末調整で済ませておきましょう。

また、医療費控除、雑損控除、住宅借入金等特別控除の1回目などは年末調整ではできず、確定申告が必要となります。加えて、給与の収入が2,000万円を越える人や、年の途中で退職した人なども、年末調整ができませんので確定申告をしなくてはなりません。

年末調整は会社員の特権とも言える制度ですので、提出するものは漏れがないように提出し、しっかりと取り戻せるものは取り戻しましょう。

執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。