今年も音と映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE 2016」(2016年国際放送機器展)が、11月16日から18日まで千葉市・幕張メッセにて開催された。

Hall2~8の7ホールへと増床され、さらなる盛り上がりを見せた同イベントから、主に映像・放送関連機材部門のブースをピックアップし、4K/8KからIPやHDRなどに対応した最新および話題の映像機器や、周辺ソリューションなどをご紹介していこう。

千葉市・幕張メッセにて、11月16日から18日までの3日間にわたり開催された「Inter BEE 2016」(2016年国際放送機器展)。映像・音響に関わるプロフェッショナルにはお馴染みとなっている音と映像と通信の祭典だ

アドビシステムズ/インテル

ICT / クロスメディア部門に出展していたアドビシステムズ。インテルとの共同ブースとなっており、「Adobe Creative Cloud」の最新アップデートなどを、インテルの最新CPUやSSDとともに紹介するデモンストレーションやセミナーが実施されていた。中でも、新たなコラボレーション機能「チームプロジェクト」とAWSによる活用方法や、同社が提供する素材ストックサービス「Adobe Stock」の紹介、Premiere Pro、After Effectsなどの実践的なテクニックや製作事例を紹介するセミナーは、多数の来場者の人気を集めていた。

アドビとインテルの共同ブースでは、「Break through the "frame" 映像制作の『枠』を超えて」と題された、新時代の映像制作に対応する最新ツールやワークフローが提案をされた

ブラックマジックデザイン

放送機材関連部門に大規模なブースを出展したブラックマジックデザインでは、バラエティー豊かな新製品や、各種スイッチャー/コンバーターなどコンテンツ制作におけるさまざまなソリューションが紹介されていた。最新アップデートが提供されたBlackmagic URSA Miniをはじめ、HDRグレーディングツールやフィルムグレインなどのエフェクト機能が追加されたDaVinci Resolve 12.5、プロ仕様のモニタリングおよび放送品質の収録機能を、あらゆるSDI/HDMI対応カメラに簡単に追加できるBlackmagic Video Assist 4Kなどが注目を集めていた。

「DaVinci Resolve 12.5」「Fusion 8」などの映像制作アプリケーションに加え、URSA Mini、Video Assist 4K、ATEM 2M/E Broadcast Studio 4K、Duplicator 4K、UltraStudio 4K Extreme 3といった豊富な4K対応製品がラインナップされたブラックマジックデザインブース

キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン

キヤノンブースでは、世界中の映画、テレビ、CMなど幅広い撮影現場で活躍するCINEMA EOS SYSTEMや放送用レンズ、業務用ディスプレイ、プロジェクターなどを展示。CINEMA EOS SYSTEMの最新・最上位モデルとなるデジタルシネマカメラ「EOS C700」は、従来のCシリーズと異なったカスタマイズ可能なモジュールデザインを採用しており、一般的なビデオカメラに近い形状となっている。また、4K対応の放送用レンズ「UHD DIGISUPER 27」、4K HDR制作にも最適な業務用ディスプレー「DP-V2420」、17型4K対応ディスプレー「DP-V1710」、広いダイナミックレンジと高い描写力を持つ新レンズ「CN-E18-80mm T4.4 L IS KAS S」なども登場した。

「EOS C700」では、本体内に4K/60pの映像記録でき、さらにCodex社製レコーダー「CDX-36150」と組み合わせることで、最大4K/120fpsのRAW記録にも対応可能とのこと。グローバルシャッター搭載のPLマウント仕様モデル「EOS C700 GS PL」もラインナップする

ソニー

ソニーブース内では、次世代IP放送を想定したモデル展示およびトータルソリューションを展開。また、XDCAMメモリーカムコーダー「FS7II」、NXCAMコーダー「HXR-NX5R」、マルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-4800」、4KカメラHDC-4300をコンパクトに凝縮したマルチパーパスカメラ「HDC-P43」、2017年1月売予定の旋回型4Kカラービデオカメラ「BRC-X1000」などの各種カメラの新製品群が、多くの来場者から人気となっていた。さらに、最大300GB/1ディスクの超大容量と長期保存寿命を実現した光ディスク「アーカイバル・ディスク」や、CLEDISによる220型4Kディスプレイも展示され圧倒的存在感を放っていた。

カメラコーナーでは、K Exmorスーパー35mm CMOSイメージセンサー、電子式可変NDフィルターなどを採用したXDCAMモリーカムコーダー「FS7 II」をはじめ、多種多様な最新ビデオカメラが一挙展示された

DJI Japan

ドローン・メーカーとして知られるDJIでは、国内で正式発表が行われたばかりの業務用空撮ドローンの最新モデル「Inspire 2」および「Phantom 4 Pro」の展示・デモンストレーションなどが行われた。また、大定番スマートドローン「Phantom 4」をはじめ、折たたみドローン「Mavic Pro」、業務用大型ドローン「M600」など同社の幅広い製品ラインナップをまとめてチェックできた。さらに、一体型ズームカメラを搭載した手持ちジンバル「Osmo」や、スマートフォンを取り付けられる手持ちジンバル「Osmo Mobile」も、ハンズオンすることが可能となっており、多くの来場者が体験ブースを訪れていた。

同ブース内には、ネットに四方を囲まれた大規模なドローンの専用フライトデモ・スペースも設けられており、デモフライトは大盛況! その注目度の高さを伺わせた。簡単にプロ並みの安定した映像を撮影可能な「Osmo」シリーズも人気だった