今年も音と映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE 2016」(2016年国際放送機器展)が、11月16日から18日まで千葉市・幕張メッセにて開催された。

Hall2~8の7ホールへと増床され、さらなる盛り上がりを見せた同イベントから、主にプロオーディオ部門のブースをピックアップし、最新および話題のオーディオ機器や、周辺ソリューションなどをまとめてご紹介していこう。

千葉市・幕張メッセにて、11月16日から18日までの3日間にわたり開催された「Inter BEE 2016」(2016年国際放送機器展)。映像・音響に関わるプロフェッショナルにはお馴染みとなっている音と映像と通信の祭典だ

ローランド

ローランドは、プロオーディオ部門と映像制作/放送機材関連部門の2ブースで出展。世界初公開のHD AVミキサー「VR-4HD」をはじめ、場所を選ばないプロフェッショナル向け3G-SDI/HDMI対応HDビデオ・スイッチャー「V-1SDI」などの新製品が登場し、多くの来場者から注目を集めた。また、デジタル・ミキサー「O・H・R・C・A「M-5000/5000C」をはじめ、M-5000/5000C用 Dante / MADI / Waves SoundGrid オプション・ボード、コンパクトなV-Mixer「M-300/200i」、キュー・ボックス「M-48」、フィールド・レコーダー「R-88/44」など、制作現場で活躍している製品も数多くラインナップされていた。

ライブ配信から収録までA4サイズでフルHD対応のオールインワンHD AVミキサー「VR-4HD」をはじめ、最新の製品群が展示されたローランドブース。放送局/ライブ向けセットなど、バリエーション豊かな同社製品をハンズオンで体験できた

ヤマハミュージックジャパン

革新的な操作性を提供する新世代のラックマウント型デジタルミキシングコンソール「TF-RACK」(12月発売予定)が発表された。タッチパネルに最適化した直感的なユーザーインターフェースを核とする新開発の操作体系「TouchFlow Operation」が新採用されている点にも注目。同社の次世代フラグシップミキサー「RIVAGE PM10」、新たなモニターヘッドホン「MTシリーズ」、Danteに最適化したL2スイッチ「L2スイッチSWP1シリーズ」などの最新製品もラインナップ。「Steinberg」「NEXO」「Line6」「Revolabs」とのシナジーを生かした、ライブサウンド・ホール音響設備・商業空間設備・ブロードキャスト・ポストプロダクションに至る幅広い用途に最適なソリューションの提案などもなされていた。

「TF-RACK」は、スペースに制限がある会場や演目においても、直感的かつスムーズな操作性を提供し、可搬性にも優れるため素早いセッティングと快適なオペレーションを実現するラックマウントデジタルミキザーだ

エムアイセブンジャパン/シンタックスジャパン

同社取り扱いの日本初公開製品をはじめとする取扱ブランドの一同展示。アナログ・ミキサーに24Bit 96kHz USBオーディオ・インターフェース機能を統合したPreSonusの「StudioLive ARハイブリッド・ミキサー」、2016年度グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)受賞したMIDIコントローラー「Seaboard RISE」が人気となっていた。また、国内リリースされたばかりのRMEのフラッグシップ・オーディオ・インターフェイス「Fireface UFX+」、コンパクトボディーで68ch入出力を備えた「MADIface Pro」、さらにはオーディオリスニングの用途でも非常に注目度の高い「RME ADI-2 Pro」(近日発売予定)も実機展示も行われていた。

「RME ADI-2 Pro」は、最大サンプルレート768kHzならびにDSDの再生/録音にも対応したAD/DAコンバーター、USB DAC、USBオーディオ・インターフェイス。展示ブースでは、DSD録音に対応したソフトウェアが一緒に展示されており、発売時には付属も検討されているとのことなので期待したい

メディア・インテグレーションMI事業部/ROCK ON PRO

DiGiGrid ネットワーク・オーディオI/O/プラグイン・サーバー、Apogee Symphony I/O MK2とThundeboltオーディオI/O、Waves Audio各種プラグイン、EVE Audio アクティブ・モニター・スピーカー、Focal アクティブ・モニター・スピーカー、Lewitt マイクロフォン、最新プラグイン音源など、同社取り扱いの人気製品が集結! iOSアプリなどでもお馴染みのPositive Gridによる、詳細なカスタマイズやクラウドを介したトーンの共有などにも対応する次世代ヘッドアンプ「BIAS Head」も試聴できた。ステージでラウドなプレイを可能にする600W 高出力パワーアンプ搭載モデルと、スタジオユースに最適なプリアンプモデルをラインナップする。

ブース内には、ポストプロダクション/ブロードキャスト、レコーディング/ミックス、ライブサウンド、ネットワーク・オーディオなど用途別に実際の作業環境を再現したコーナーが設置されており、ユーザー体験が可能となっていた

ティアック

TASCAMブランドの放送業務仕様機器、PA/SR用音響機器を中心に、設備音響機器などが展示されていた。1Uサイズの64CH デジタルマルチトラックレコーダー/プレイヤー「DA-6400シリーズ」や、専用アナログ出力カード、iPad用リモコンアプリをはじめ、ショットガンマイク搭載レコーダー「DR-10DG」、リニアPCMレコーダー「DR-100MKIII」、ネットワーク機能を搭載したソリッドステートレコーダー「SS-R250」、「SS-CDR250N」など多数の新製品が登場。さらに、業務用CDプレイヤー/カセットデッキ「CD-A580」も参考出品され人気を集めていた。

ブース内には、新製品の各種レコーダーやアナログ出力カードなどに加え、マルチ再生用途、放送局スタジオ収録ならびにライブレコーディングなどのシステム例なども展示された