2016年7月から9月までAT-XやTOKYO MXほかにて放送されていたTVアニメ『orange』。10年後の自分から手紙を受け取った高校生の高宮菜穂は、その手紙に書かれている"想いを寄せる同級生・翔の死"を回避するため、同級生たちと未来を変えようと行動していくSF青春ラブストーリー。

花澤香菜(はなざわかな)。1989年2月25日生まれ。東京都出身。大沢事務所所属。主な出演は『orange』高宮菜穂役、『PSYCHO-PASS サイコパス』常守朱役、『ブラック★ロックシューター』黒衣マト役、『3月のライオン』川本ひなた役、『終末のイゼッタ』エルヴィラ役など
撮影:西田航(WATAROCK)

2016年11月18日より、TVアニメのストーリーを須和弘人視点で再構成し、原作者・高野苺描き下ろしの後日談を加えた映画『orange -未来-』が2週間限定で劇場公開される。今回は、映画化を記念して主人公・高宮菜穂役の花澤香菜にインタビューを実施。作品の見どころについて直撃した。

『orange』や高宮菜穂との運命的な出会い

――花澤さんは、高宮菜穂を演じる前から原作は知っていました?

作品自体は知っていたのですが、読んだのはオーディションの前でした。これはすごい偶然なのですが、オーディションの話を受ける前、たまたま友だちと旅行で『orange』の舞台である長野県松本市に行っていたんです。その頃は、ちょうど実写版の公開時期で、街中が『orange』祭りだったので、「盛り上がっているなー」って。その後にオーディションの話がきたので、運命的だなと感じました。

――そして見事にオーディションに合格。菜穂を演じる上で意識されたことは?

菜穂ちゃんは、誰に対してもいろいろと思いやりすぎてしまって言葉が出てこなかったり、自分の意見は後でいいやと思ったりする女の子でした。それが徐々に想いを伝えられるようになっていき、どんどん強く、格好良くなっていく姿が印象的でした。なので、そういった気持ちの流れみたいなのは意識していました。

――周りのキャラクターたちとの関係性を大切に演技をしていった。

『orange』は高校生たちのお話で、ポンポンと会話が飛び交う形で進んでいきます。メインキャラクター6人の、「実際にいる仲良し高校生たちだったらこういう風にしゃべるだろうな」という空気感を作るのには苦労しましたね。最初の頃に、同じシーンを何回も録りなおして空気感を作っていきました。 菜穂ちゃんも(成瀬)翔くんも、あまり言葉が出てくるような子じゃないので、2人の会話はもどかしいんですが、そのもどかしさが本当っぽくなるといよねってことで、気を遣いながらおしゃべりしました。


――その空気感を作るのに役立ったのは、やはり自身の学生時代の体験ですか?

そうですね。「あの時、男子とはこういう風にしゃべっていたな」とか、自分で体験したことを思い出していました。なんでもないことで笑いあっていたり、語らずとも分かり合える友だちがいたり、自分の中から出していったものはありますね。

もっといろんなパン屋でバイトが出来たな

――ここからはキャラクターについても聞いていきたいと思っています。花澤さんが一番共感できるキャラクターは?

オーディション前に『orange』を読んだ時から、菜穂ちゃんの気持ちに共感していました。私もあまり自分の意見をポーンと言える勇気がないんです。あとは、菜穂ちゃんの翔くんに対する想いとか。

――友だちとして仲良くできそうなのは。

あず(村坂あずさ)かなあ。私の友だちにはあずみたいなタイプの子が多いかもしれないですね。サバサバと明るい感じの女の子は、しゃべりやすくて好きです。

――では、翔、須和、萩田と男子は三者三様でそれぞれ個性的なキャラクターだと思いますが、花澤さんが魅力を感じる男子は?

私は一貫して須和(弘人)です! 菜穂ちゃんを演じているからかもしれないですが、翔くんにはいろいろと気を遣うし、何を考えているのかわからないことが多かった(笑)。須和は翔くんみたいなミステリアスさはないんですけど、自分の意見をはっきり言えて、兄のように引っ張っていってくれる包容力があるなあって。他の人たちには言えないようなことを、須和にはポロッと言える。菜穂ちゃんにとって須和はそういう存在ですね。

――映画では須和視点の新規エピソードがあるんですよね。

はい! いままで完璧に見えていた須和もしっかりと葛藤して、高校生らしい悩みもしっかり描かれるので、さらに好きになってしまいました。

――『orange』は10年後の自分から手紙が届いて、その手紙をもとに未来を変えようとしていくお話です。花澤さんが過去を変えるとしたら?

もっと小さいころから、思い切りいろんなことに挑戦していたらと思います。バレエとか水泳とかいろいろ習わせてもらったんですが、全部途中で終わってしまいました。子どものころから唯一続けられたのが芸能活動だったので、もうちょっといろいろ続けていればよかったなって。

――あずさって、実家がパン屋じゃないですか。

そうですね。

――花澤さんはパンが大好きじゃないですか。パン屋になった未来とかもあるのかなって。

そう! 高校時代に、パン屋でバイトをしていたんですよ! だから、もっといろんなパン屋でバイトが出来たなってのはすごく思います。あ、でもころころ変えるわけにもいかないので、かけもちするにしても週に二つくらいだろうなあ……。

――バイトなんですね(笑)。

いまはいろんな美味しいパン屋さんを知っているので、「このパン屋が美味しいから、ここに勤めるといいよ」と手紙に書いてしまいそうです(笑)。

――ははは、手紙にかなり具体的な指示が。いまのマイブームパンってなんですか?

少し前はたまごサンドだったんですが、最近は外国からやってくる「黒船ベーカリー」たちがたくさんあるので、いまは一つずつ訪ねていっています。ドーナツ屋さんなんですけど、同じ小麦なので私はワクワクしちゃうんですよ。ニュースで紹介されたのを観て真っ先に行きました! その時はあんまり並んでなかったんですけど、これから来そうな予感がしています!

――そうなるとあんまり食べられなくなっちゃう。

そうなんですよー。でも、あんまり食べるとパンパンになっちゃうから(笑)。

字を見たら信じちゃうかな

――ちょっとお話を戻して、実際に未来から自分宛てに手紙が届いたら、花澤さんなら信じますか?

うーん、やっぱり自分の筆跡ってわかるじゃないですか。中学生の時、格好良い字を書く古典のおじいちゃん先生の字をずーっと真似していました。そうしたら、私もおじいちゃんみたいな字になっちゃったんですよ(笑)。だから、わかると思うんですよね。その字を見たら信じちゃうかなー。

――そうなんですか。それでは読者プレゼント用のサインも兼ねて、色紙に書いていただいても。

あ、はーい(色紙にサインを書き始める)。

――かわいい字じゃないですかー。

いえいえー、おじいちゃんになりますよっ。

――ありがとうございます! その未来から来た手紙ですが、誰かに内容を話しますか?

うーん。信じてもらえないだろうなあ。須和みたいな人がいたらいいんですけどね。多分、一人で抱えちゃう。菜穂ちゃんも最初は「怖いから読まないでおこう」みたいな感じだったので、私も封印してしまうかも。占いとかもあんまり信じないタイプなので。

――そっちの方向に自分から行ってしまいそうですしね。

そうそう。寄せちゃいそう。でも、翔くんのような大事なことが書いてあったら困るとは思うんですけどね。

――それでは最後に、改めて花澤さんが感じている『orange』という作品の魅力について改めて教えてください。

初めて原作を読んだ時、6人でしゃべっている姿が、とても居心地が良くて安心しました。それは、みんなが自然に相手を思いやっているからだと思います。自分の中にも、意識はしなくてもそういう関係はあったんだろうなあって。そういった絆や、あたたかいものを再確認できる、まっすぐで素敵な作品です。原作は完結しているのですが、今回のお話は、原作開始当初から高野苺先生の頭の中にあった物語なので、原作ファンの方も楽しみにしていてほしいなと思います。

●映画『orange -未来-』は11月18日より2週間限定で劇場公開

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(C)高野苺・双葉社/orange製作委員会