育休から仕事に復帰したが、家事・育児との両立がうまくできない……。息抜きをしたくても子連れでは外出もままならない……。そんな悩みを抱える人も多いだろう。
そこで今回は、働くママが助かる家事代行や出張シェフ、子どものオンライン英会話、出張ネイルサービスの4つがお試しできる体験会を取材した。
いずれも、AirbnbやUberなどと同様の、個人の資産・スキルと消費者をつなぐ"シェアリングエコノミーサービス"と呼ばれるもので、利用料が比較的安価となっている。その実力はいかほどなのか、早速紹介していこう。
スキルは? 料金感は?? 家事代行の「タスカジ」
初めに体験したのは、家事代行マッチングサービスの「タスカジ」。2014年のサービス開始以来、口コミを中心にユーザー数を拡大中で、現在の会員数は7,500人、登録ハウスキーパーは320人という注目のサービスだ。
特徴は、依頼主とハウスキーパーの直接契約であるため、1時間あたり1,500~2,600円(ハウスキーパーのスキルランクによる)の低価格で利用できること。
ただし、1回の利用は3時間の固定制だ。それでも、例えば週1回の利用なら4,500円(3時間)×4=月1万8,000円で収めることも可能な計算だ。家事代行で月に5~6万円を支払うとなるとちゅうちょしてしまうけれど、月2万以内で頼めるならアリ、と考える人は多いのではないだろうか。個人間の契約とはいえ、ユーザーによる逐一のレビューでハウスキーパーの質が保証されており、保険にも入っているので万が一のときも安心とのことだ。
参加した体験会では、ハウスキーパーによる「作り置き料理」の食事10皿が並んだ。いずれも主婦経験をいかしたほっとするような家庭料理。このように、2~3日分の夕食を作り置きしてほしいという依頼はよくあるそうだ。
また、登録するハウスキーパーには、掃除や片付けが得意な人もいれば、料理が得意な人もいる。それぞれの家庭の生活スタイルや要望に合った人を見つけて、「リビングの片付け+水回りの掃除+食事の支度」など、時間内でできる複数の家事を組み合わせて頼めるのもうれしい。
1日の仕事を終えて慌ただしく子どものお迎えに行っても、きれいに整った部屋と温めればすぐに食べられる料理が待っていると思えば、気が楽だ。おなかをすかせた子どもが目の前で騒いでいても、余裕のある優しいママでいられるかもしれない。
出張シェフの腕前やいかに!? 「マイシェフ」
家事代行ではなく「出張シェフ」となると、サービスはどのように変わってくるのだろうか。登録シェフが食材や調理道具を携えて個人宅に赴いてくれる、出張シェフサービス「マイシェフ」も取材した。
2013年にスタートしたマイシェフには、現在登録シェフが約80人おり、1都3県でサービスを提供している。料理は前菜2皿、炭水化物もの、メインの4品で、予算の目安は食材費・交通費など込みで1人あたり3,000~5,000円 (シェフごとに異なる)、ただし依頼は4人前~。夫婦と子どものみのシチュエーションでは、使いづらいのが残念だ。誕生日やお食い初め、ママ会や親族の集まりなど、ちょっとしたハレの日の利用が多いという。
この日試食したのは、鶏肉とじゃがいもを使った料理とクリーム系のパスタ。レストランで出てくるような料理を、熱々のまま自宅で味わえるのはいいと感じた。出張シェフは、イタリアやフランスで修行経験のある料理人や調理専門学校の元講師、現役のレストランのコック、料理教室の先生などだそうで、料理の腕は確かそうだ。
小さい子どもがいると、高級レストランには入りづらく、入れても、「子どもが騒ぎ出すのでは……」と気が気でなくなって、結局かきこむように食事をすることになりがち。かといって、自宅に人を招いても、料理や後片付け、飲み物の心配など、女性は何かと落ち着いて座っていられないものだ。
"わが家"で、でーんと座っているだけで、シェフが準備から片付けまで全部やってくれるなら、ゆっくりとした気分で会話を楽しみながら、食事を堪能できそうだ。
英語力はちゃんとつく? オンライン英会話の「グローバルクラウン」
子どもの習い事となると、働くママにとってネックとなるのは、送り迎えの問題。その点で、子ども向けのオンライン英会話サービス「グローバルクラウン」のレッスンは利点が大きいだろう。
平日15時から21時の間に1回20分、タブレット端末を使ってテレビ電話のように、画面の向こうの講師と英会話ができる。講師はバイリンガルの大学生が中心で、日本語で適宜フォローが入りつつレッスンが進む。英語の分からない子どももリラックスして受けられる一方、プロのネイティブ講師を求める人にとってはネックになるかもしれない。
とはいえ、英会話のマンツーマンレッスンにも関わらず、料金は週1回のコースで月額9,800円、平日毎日でも月1万9,800円。安価に手軽に日々英語に触れられる環境をつくるという意味では、利用しやすいのではないだろうか。
デザインの好み、使いやすさは? 出張ネイル「MICOLY」
最後に紹介するのは、出張ネイルサービスの「MICOLY」(ミコリー)。子どもがいると我慢しがちな、ママのおしゃれの楽しみをかなえてくれるサービスだ。現在は東京23区を中心に神奈川、千葉、埼玉の一部で展開。ホームページを見てみると、それぞれのネイリストのプロフィールや利用者によるレビュー、ネイルデザインなどがのっていて、安心して利用できそうだ。
ネイリストがひとたび準備を始めると、サロンさながらの空間が目の前に広がる。子どもが一緒だとサロンならではのぜいたくな気分は味わえないだろうが、ママ友を何人か集めて互いの子どもを遊ばせながら、順番にサービスを受けたら楽しそうだ。11月下旬からは、マッサージやまつげエクステ、ヘアアレンジ、メイクのサービスも始める予定ということで、「子どもを預けてまで……」という後ろめたい気持ちを持たずに利用できそう。
紹介した4つのサービスはいずれも自宅で受けられるものでありながら、かつ分かりやすいシステムで、リーズナブルに頼めるのが有り難いところ。最初の1回こそ「ウチなんかに呼んでいいものか……」と気が引けそうだが、それを超えてしまうとハマる人も続出だとか。興味を持たれた方は一度試してみてはいかがだろうか。
※料金は全て税込