南海電気鉄道は17日、関西国際空港の利用者の利便性向上を目的に、ダイヤ改正や関西空港駅の訪日外国人専用窓口の拡大などの施策を実施すると発表した。ダイヤ改正は南海線(南海本線・空港線など)を対象に、2017年1月28日の実施を予定している。

南海電鉄の新型車両8300系。空港急行にも使用される

現在の南海線の空港急行はおもに6両編成で運転されている

関西国際空港では、2017年1月下旬にLCC専用新ターミナルビル「第2ターミナルビル(国際線)」が開業予定。これを受けて南海線では、利用が増加している時間帯の利便性向上と列車内の混雑緩和を目的にダイヤ改正が行われることになった。

南海線では、利便性向上のための直近の施策として、新型車両8300系の車内に多目的スペースを設置し、大型手荷物を持った利用者が乗車しても通路スペースを確保することで混雑緩和を図っているという。1月28日に実施されるダイヤ改正では、さらなる混雑緩和のため、空港急行(難波~関西空港間)を増発するとともに、現在の6両編成を中心とした運転を改め、最大両数となる8両編成での運転本数を倍増させるとしている。

早朝・深夜時間帯を中心に関西空港方面の列車も増やす。早朝5時台に下り空港急行を1本増発し、土休日の早朝に特急「ラピート」を下り・上り各1本増発。これにより、土休日の下り「ラピート」の始発列車は難波駅6時0分発、上り「ラピート」の始発列車は関西空港駅7時6分発となり、ともに現在の始発列車より30分程度の繰上げとなる。

深夜も23時台に上り空港急行を2本増発。関西空港発の上り最終列車は同駅23時55分発の空港急行となり、現在より15分繰下げとなる。特急「ラピート」は深夜に下り・上り各1本増発し、下り「ラピート」の最終列車は平日・土休日ともに難波駅22時0分発、上り「ラピート」の最終列車は平日が関西空港駅23時0分発、土休日が同駅22時55分発となり、下り・上りともに現在より30分前後繰り下げられる。

南海電鉄は利便性向上施策の一環で、外国語による案内の強化、主要駅や特急「ラピート」車内での無料Wi-Fiサービス提供など、訪日外国人を受け入れるための基盤整備も進めてきた。関西空港駅では今年4月、訪日外国人専用窓口「南海チケットインフォメーション」が開設されており、2017年3月には対応窓口を1カ所増設し、計3カ所に拡大される予定だ。対応言語は英語・中国語・韓国語で、スタッフが訪日外国人に向けて観光地の案内や目的地までの移動方法・企画乗車券の案内などを行う。