一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)は11月15日、「2016年度 新卒採用に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査は7月5日~8月22日、経団連企業会員1,339社を対象に行われ、709の回答を得た。
新卒採用選考で重視するのはコミュニケーション能力
選考にあたって特に重視した点を聞くと、「コミュニケーション能力」が13年連続で第1位、「主体性」が7年連続で第2位となり、昨年第3位だった「チャレンジ精神」と、同じく第4位だった「協調性」の順位が逆転した。
選考にあたって学業成績を重視したか聞くと、「重視した」(「かなり重視した」(3.5%)+「やや重視した」(51.8%))が55.3%。前回調査より10.7ポイント増加した。
採用選考活動を実施した企業は96.8%
採用選考活動を実施した企業(実施予定も含む)の割合は96.8%だった。前回調査より0.1ポイント減少したものの、高水準で推移している。
「前年と比べて売り手市場であった」との回答は71.3%。「前年と変わらなかった」が大きく増えているが、2016年入社においても9割弱が「前年よりも売り手市場であった」と回答しており、売手市場の状況が続いているといえる。
2017年入社対象の採用選考スケジュール(広報開始3月1日、選考開始6月1日)について、2016年入社対象(同3月1日、8月1日)との比較では「非常に良かった」「どちらかといえば良かった」との回答合計が69.4%にのぼった。
「良い影響があった」とする回答で最も多かったのは、「採用選考活動の長期化の是正」(32.7%)だった。一方、「悪い影響があった」とする回答としては、「学生の自社に対する理解・研究」(66.2%)や「学生の業界・企業研究」(65.7%)が多かった。
経団連会員以外も含めた「指針」のスケジュールの遵守状況について、「あまり守られていない」「ほとんど守られていない」との回答の合計は89.6%にのぼった。
「指針」のスケジュールにとらわれずに活動を行う企業への受けとめとしては、「指針のスケジュールが実態に合っていないので、守らないのはやむをえない」(55.8%)、「ルールを守らない企業が先に優秀な人材を確保するのは不公平である」(43.4%)との回答が多い。
「指針」で規定しているスケジュールについて、63.2%の企業が「見直すべき」と回答。見直しが必要な項目としては、「選考活動の開始時期」(83.9%)、「広報活動の開始時期」(83.5%)が多かった。