キューサイはこのほど、血糖値が高めの人を対象とした研究で、ケールの摂取が食後血糖値の上昇を抑えることを明らかにした。

摂取後の血糖値の経時的変化

ケール(Brassica oleracea var. acephala)はβ-カロテンやビタミンC、カルシウム、ルテイン、葉酸、ミネラルを豊富に含む栄養価の高い緑黄色野菜。今回の研究は、ケール粉末の摂取が食後の血糖値上昇に与える影響およびその有効量を検討し、食後血糖値の上昇抑制効果を検証することを目的として実施した。

被験者は、21~64歳の男女で血糖値が高めの人(空腹時血糖値が125mg/dl以下、食後30分時点の血糖値が140~187mg/dl)42名。ケールを含まない食品とケール粉末(低用量:ケール粉末7g、高用量:ケール粉末14g)を、炭水化物を多く含む食事と同時に摂取してもらい、摂取後30~120分時点の血糖値を測定した。

その結果、ケール粉末を摂取した人の食後血糖値の上昇は、ケールを含まない食品を摂取した人と比較して、摂取60分後において有意に抑制された。

また、ケール粉末を摂取した人の摂取後120分の血糖AUC(経時的な血糖値増加量の面積の値であり、食品の血糖値上昇の比較の指標の一つ)値は、ケールを含まない食品を摂取した人と比べ、有意に抑制されたことがわかった。

摂取後120分の血糖AUC

この結果のメカニズムを検証するために、ケールの食物繊維が腸内での食物に与える粘度を検討した。その結果、ケール粉末を加えることで腸内の粘度が上昇することがわかった。ケールに含まれる食物繊維により、腸内での食物の粘度が上昇し、糖の吸収が抑制されたと推測できるという。

以上の結果から、ケール粉末は血糖値が高めの人の食後血糖値の上昇を抑制すること、その有効量は7g以上であることが明らかになった。同研究結果は、「Biomedical Reports(バイオメディカルレポート)」で公開されている。