ソロデビューを目前に控える山崎エリイ

2016年11月16日(水)にアルバム『全部、君のせいだ。』でソロデビューが決定しているホリプロ所属の声優・山崎エリイが、11月5日(土)にニコニコ本社B2Fイベントスペースで「山崎エリイ デビューアルバム発売記念!『全部、君のせいだ。』大解剖?!試聴会」を開催した。

山崎エリイは2011年に「第36回ホリプロタレントスカウトキャラバン 次世代声優アーティストオーディション」に参加。ファイナリストに残り、ホリプロ所属となった後、2013年にアニメ『サムライフラメンコ』の森田萌役で声優としてデビュー。音楽活動としては、同じくホリプロ所属で、同い年の木戸衣吹とユニット「every❤ing!」を結成し、キングレコードよりアーティストデビュー。高校卒業を経た2016年、19歳の誕生日直前にアルバムにてソロデビューが決定している。

11月5日(土)18:30よりニコニコ本社B2Fイベントスペースへ集まった山崎エリイのファンたち。期待が膨らむ会場のステージへまずはZERO-Aの工藤智美プロデューサーが登場し、簡単な挨拶で場を和ませた後、ファン全員による「エリイちゃーん!」という大きな掛け声で山崎が姿を現す。ボルドー色のベレー帽に赤いチェックのワンピースを着こなした可愛らしい姿に、会場は大盛り上がりの様相を呈す。

デビューアルバムが完成したことに対し山崎は「一つのカテゴリに絞られない楽曲が揃っている印象。ひとつでも『これが好きだな』というものが見つかったらいいな」と想いを述べる。工藤が「あなたのエリイはどれかな!?」と煽ると、期待と興奮から会場はもちろん、ニコニコ生放送のコメントは大いに湧き上がる。

まずは表題曲「全部キミのせいだ」のレコーディング時を思い出し、いろいろな捉え方のできる歌詞に対して手探りで進めていかなければならず「一番戸惑った」曲であると語る山崎。また、参加するスタッフが多かったことに対しての緊張を言葉にすると、工藤から飛び出した"赤坂親父祭り"という奇妙なワードになぜか会場からは拍手が起こる。山崎いわく「"おじさま"なのか"おうじさま"なのかわからなくなった」ところで曲紹介に入る。

ここからは各楽曲に対して込められた想いや思い出話が語られてから実際に試聴を続けていくスタイルで試聴会は続く。試聴は1番サビまでとなるが、ほとんどの曲が初公開であり、すでに公開済みの曲に関してもライブイベント中心であったため、初めて耳にするファンも多く、全員が真摯に耳を傾けている姿が見受けられた。リズムに合わせて身体を揺らす人、思わず手足を小刻みに動かしてしまう人、それぞれが思い思いに試聴会を楽しんでいる様子が伝わってくる瞬間だった。

会場と同様に生放送のコメント欄も楽曲ごとに盛況となる。「声が綺麗」「大人っぽい」「かわいい」「かっこいい」……ファン期待通りの魅力が詰まった曲に喜んでいるのは当然のこと、それぞれにおいてこれまでのイメージを覆す、期待以上のパフォーマンスであったことを感じさせるコメントの数々であった。例えば2曲目の「星屑のシャンデリア」では「クールエリイちゃん」と呼ばれ、5曲目の「雨と魔法」などでは「浄化される……」と画面の向こうのファンから度々感動を伝えられていた。

今回のイベントは何もただ楽曲を聴くためだけに集められたわけではない。3曲目の「Lunatic Romance」が終了したところで特別コーナーの『全部、エリイのせいだ。』が開催され、関係者やファンから集められた、「○○なエリイのせいで、○○してしまった!」という証言エピソードが公開された。最初に発表された内容は「札幌で『星屑のシャンデリア』を歌ったとき、間奏の"投げキッス"でグッときてしまった」という関係者からのもの。コメントを求められる山崎は「実は本番で考えた」振り付けであることを告げると、工藤プロデューサーが突然煽りだし、なんと山崎はその場で"投げキッス"を再現する運びに……。工藤プロデューサーとファンによる5秒カウントの後、山崎は恥ずかしがりながらとても控えめな"投げキッス"を披露すると、会場もニコ生もコメントも、この日一番の盛り上がりを見せた。

数曲の試聴を行ってから『全部、エリイのせいだ。』企画を挟む、という段取りを繰り返し、試聴会は終盤、10曲目の「My first love」へ。「この曲は家族愛、大切な人に向けての気持ちを歌にしたようなイメージが私の中にはあって、とても大切な曲になりました」という山崎の言葉から送り出された優しい旋律にファンは感動し、会場はとても暖かい空気に包まれる。そして試聴後、山崎はさらに続けた。

「私にとって(大事な人が)家族というのはひとつあるのですが、普段応援してくださっている方とか、そういう方々への感謝の気持ちを何か声にして伝えられたら嬉しいなと思って、なるべくAメロBメロで語りかけるように歌って、サビでも暖かさとかそういうものを残しつつ歌わせていただきました。この(デモ)曲を家族の前で初めて流したとき、お父さんは『うーん』って感じで(俯いてしまい)、お母さんは頬に涙が……みたいな。初めて見たんですよ、家族のそういうところ。レコーディングのときも家族のこととか、ファンの方ひとりひとりのこれまで楽しかったこととかを思い出しつつ歌わせていただきました。冗談抜きで、この曲はそういうメッセージをどうにか入れたいなと思って、感情的になってしまいました」

11曲目の「星の数じゃたりない」を試聴した後、大きな拍手に包まれる会場。工藤プロデューサーや関係者からは度々山崎の楽曲に対する向き合い方の素晴らしさが語られたが、山崎自身は「4カ月間ちゃんとお時間をいただいたからこそできたことなので、毎日感謝で溢れていました」と締めた。

終了の時間が近づき会場が名残惜しさに包まれているところ、各種告知が行われた。まずは全曲試聴のダイジェスト動画がYoutubeにて公開。こちらはイベント後の5日21時より開始されている。さらに、表題曲「全部キミのせいだ」がテレビ東京の番組『アニメマシテ』における11月度のオープニング曲に採用されたことが発表されると、山崎も「びっくりなんです」と驚きを露わにしていた。

告知と挨拶も終わり、そのままイベントは終了……と思いきや、なんとここでも『全部、エリイのせいだ。』が紹介される。最後の最後にはスタッフ一同から「エリイちゃんのMVが可愛すぎるせいで毎晩見ちゃって寝不足」という熱いエピソードが伝えられ、それにあわせて注目のMVが公開され、試聴会は幕引きとなった。

山崎エリイのデビューアルバム『全部、君のせいだ。』は、2016年11月16日の発売予定で、発売日当日も含め、リリースイベントやバースデーイベントなどの企画が予定されている。各詳細は公式サイトにて。