エン・ジャパンは11月14日、「社会保険に関わる法改正」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は9月27日~10月26日、これまで社会保険に加入していない20代以上の女性1,207名を対象に、インターネットで行われた。
2016年10月に行われた「社会保険に関わる法改正」について、「詳細を知っていた」と回答した人は23%。「なんとなく知っていた」(45%)や「知らなかった」(33%)が大半を占め、法改正の周知が進んでいない現状が浮き彫りとなった。
現在就業中の人に法改正への対応を聞くと、「これまでも改正後も社会保険に加入しない働き方(労働時間や収入など)を選択する」が62%を占めた。以降、「わからない」(20%)、「新たに社会保険の対象になり加入する」(18%)と続いた。
新たに社会保険に加入すると回答した人に、「今回の法改正を受けて、働き方を変えましたか?」を聞くと、半数以上が「保険料の負担が増すので労働時間を増やすなど収入を増やすよう働き方を変えた」(51%)と回答。「新たに加入対象になったが、働き方を変えない」という人は31%で、特に20代(36%)や30代(56%)の割合が高かったことから、子育て世代の女性の多くが、手取り収入が減ったとしても、家事や子育ての両立を考えて労働時間を増やすことに抵抗感を抱いていることが伺えた。
一方、これまでも改正後も社会保険に加入しない働き方を選択すると回答した人は、24%が「新たな加入対象から外れるために、収入を減らすよう働き方を変えた」と回答した。今回の法改正によって、4人に1人が従来よりも労働時間や収入を抑制せざるを得ない状況となっていた。
「今回の改正や今後について、気になることや不安なこと」について聞くと、「経済的な負担が増える」という声が多数に。また、「制度がわかりにくく理解が難しい」「実際に生活にどれだけ影響するのか見えない」など、周知不足に対する指摘もあったほか、「企業の負担が増えることにより採用を控えるのでは」といった点を不安視する意見も見られた。