スターバックス コーヒー ジャパンは2018年、東京・中目黒に「スターバックス リザーブ ロースタリー」(以下、ロースタリー)をオープンする。ロースタリーは、創業の地である米・シアトルに1号店がある新しいタイプの店舗。店舗の核となるのはコーヒー豆を焙煎するロースターで、店舗を訪れた客は焙煎の様子を見ながらコーヒーを楽しめる、“体験型”の店舗となる。そんな中行われたロースタリーの記者会見には、米本社のCEOであるハワード・シュルツ氏も登場。日本での新展開。スターバックスが力を入れる事情はなにか。
スターバックスは現在、世界で2万5000店舗を運営、来店者数は一日あたり330万人とコーヒーチェーン店として世界で大きな存在感を示している。日本だけでも現在の店舗数1200店を、2020年を目処に1500店舗まで拡大するという目標を示しており、年100店舗ペースで新店オープンが続くことになる。拡大するコーヒーチェーン店のトップとして、シュルツCEOがどんなビジネスビジョンを示すのか注目が集まった。
通常店舗と差別化、プレミアム性を追及した店舗
新たにオープンするロースタリーについては、「ロマンチックな経験を作ることができるコーヒーショップを作りたいと、2年前、シアトルに1号店をオープンした。ほとんどの方が、コーヒーがローストされているところを見たことがない。シアトルの店舗は、コーヒーをローストするところを自分の目で見ることができる、アトラクションのような状況になっている。今まで見たことがない体験をできる場所だ」と説明。
日本以外にも中国・上海、米・ニューヨークに同じコンセプトの新店をオープンすることを公表しているものの、次々にロースタリーを増やしていくというよりは、他の店舗とは異なる特別な店舗と位置づけている。
開店が2018年ということで、店舗の詳細は明らかになっていないものの、提供する商品は通常のスターバックスとは異なり、店舗内でローストした豆を使ってコーヒーを提供する。価格帯も通常店舗とは異なり、希少性の高い豆を使うこともあるため、高額商品が登場する可能性もあるという。
米国ではシアトルの店舗によって、通常店舗では打ち出せない価値をアピールすることにつながった側面もあるというから、中目黒にできる店舗で狙うのも同様の効果だろう。