三菱UFJリサーチ&コンサルティングは11月8日、「2016年冬のボーナス見通し」を発表した。それによると、今年の冬ボーナスは2年ぶりに増加すると予測している。
冬ボーナス、2年ぶり増加も伸びは小幅に
民間企業(規模5人以上)の2016年夏ボーナスの1人当たり平均支給額は、厚生労働省「毎月勤労統計」ベースで前年比2.3%増の36万5,008円。前年の減少幅が大きかった反動で、今年のプラス幅が大きくなった。
2016年冬ボーナスの1人当たり平均支給額の予測は37万1,676円(同0.4%増)。増加は2年ぶりとなるが、伸び幅は小幅にとどまると見込んでいる。
同社調査部は「大企業を中心に春闘で夏と冬のボーナスを同時に決定する企業が多いため、夏の実績を踏まえると冬も前年から増加すると見込まれる」と分析。また「基本給(所定内給与)が前年比で増加を続けていることも、冬のボーナスを押し上げる要因となる」とみている。
産業別では、製造業が49万8,070円(同0.1%増)、非製造業が34万5,171円(同0.6%増)と予想。支給労働者数は4,187万人(同2.1%増)、支給労働者割合は85.0%(同0.1ポイント増)、支給総額は15.6兆円(同2.4%増)と見込んでいる。
国家公務員(管理職と非常勤を除く一般行政職)の冬ボーナスの1人当たり平均支給額は69万8,500円(同6.1%増)と、2年ぶりの増加を予想。ただ昨年は人事院の給与引き上げ勧告が出た後、必要な法改正が冬ボーナス支給日までに成立せず前年比減となっていたが、後に支給された分も含めると前年比増となったため、実質的には4年連続増加となる見通し。