ダイハツ工業とトヨタ自動車は9日、新型小型乗用車のダイハツ「トール」「トール カスタム」、トヨタ「ルーミー」「タンク」を発表した。ダイハツが軽自動車の技術を駆使して企画、開発したコンパクトカーで、「トール」「トール カスタム」はダイハツから、そのOEMモデル「ルーミー」「タンク」はトヨタから、それぞれ発売される。

ダイハツ「トール カスタム G ターボ "SA II"」

ダイハツ「トール G ターボ "SA II"」

ダイハツ「トール」「トール カスタム」は、「家族とのつながり」をキーワードに、子育てファミリーをターゲットとして開発された。セカンドカーではなく、この1台であらゆる用途に使える「コンパクトファーストカー」を標榜する。

ボディは軽自動車のトールワゴンに酷似する形状で、全長は3,700mmと軽自動車規格より300mm長い。しかし最小回転半径は4.6mと軽自動車並みで、優れた取回しを実現している。搭載されるエンジンは新開発の1.0リットルターボと1.0リットルノンターボの2種類。トランスミッションは全車CVTとなっている。ターボエンジンは高速道路でも合流や追越し加速に余裕のある1.5リットルクラスのトルクを発揮。ノンターボは24.6km/リットル(2WD)という低燃費を実現した。

室内はダイハツ「タント」などで培ったパッケージング技術を駆使し、5人乗車して5人分の旅行荷物を積載できるという広さを実現。リヤシートは240mmのスライド量を確保するとともに、リクライニング角度を70度として、仮眠にも適したスペースとした。フロントシートウォークスルーにより、前後のアクセスも容易となっている。

ダイハツ「トール」パッケージング

操縦安定性や乗り心地も高いレベルで追求しており、高剛性ボディに全車フロントスタビライザー標準装備のDサスペンションを組み合わせた。ターボエンジン車はリアスタビライザーも装備する。ラジエータファンをはじめとする騒音の発生源を改良し、さらに音の侵入経路を遮断するなどの対策で、高速道路でも会話を楽しめる静寂性も実現した。

装備面では、衝突回避支援システム「スマートアシスト II」を全車に標準装備。一部グレードを除く全車にクルーズコントロールも標準装備する。インテリアには4.2インチのディスプレイを搭載し、故障時・警告時のインフォメーションをはじめ、時計やカレンダーも表示する。スマートフォンやペットボトル、紙パックの飲み物にも対応したカップホルダーや、容量5リットルの脱着可能なインパネセンター大型ボックスなど、使いやすさにこだわった装備も多数採用している。

ダイハツ「トール」はノンターボ4車種・ターボ1車種が設定され、さらにスポーティな外観とした「トール カスタム」もノンターボ2車種・ターボ1車種用意される。ノンターボは全車に4WDも設定した。「トール」の価格は、「X」の2WDが146万3,400円、「G ターボ "SA II"」が180万3,600円など。「トール カスタム」の価格は、「カスタム G」の2WDが177万1,200円、「カスタム G ターボ "SA II"」が196万5,600円など(すべて税込)。

トヨタ「ルーミー」「タンク」も発売される

この新型小型乗用車はトヨタにもOEM供給され、「ルーミー」「タンク」として販売される。「ミニバンの魅力をコンパクトカーに凝縮したトール2BOX」とされ、「ルーミー」は「品格と艶やかさ」、「タンク」は「ダイナミックさとアグレッシブさ」を表現したエクステリアとなっているのが特徴だ。それぞれカスタムグレードも設定される。

新型車「ルーミー」は全国のトヨタ店・トヨタカローラ店、新型車「タンク」は全国のトヨペット店・ネッツ店を通じて発売される。

トヨタ「ルーミー」外観・内装イメージ

トヨタ「タンク」外観・内装イメージ