順天堂大学はこのほど、インフルエンザ調査用iPhoneアプリケーション「インフルレポート」を開発したことを発表した。
同アプリは、質問項目と測定項目とを組み合わせ、インフルエンザに関する重要な科学的疑問の解明を試みることを目的としている。Appleが医療や健康に関する研究用に設計したオープンソースソフトウェアフレームワーク「ResearchKit(リサーチキット)」を採用して開発した。
アプリ使用開始時には、ワクチンの接種状況など簡単なアンケート調査を行う。利用者がインフルエンザに罹患(りかん)した場合は、その時の症状や処方された薬剤などについて、追加でアンケート調査を実施。30日ごとにインフルエンザ罹患(りかん)状況やワクチン接種状況などを確認する。
収集データはアプリ内で即座に分析し、利用者に地域ごとのインフルエンザ発生状況をフィードバックする。なお、このインフルエンザ発生状況は、同アプリ利用者のデータから推測するため、一般的なインフルエンザ流行情報とは異なるという。勤務先や通学先など、気になる地域を登録しておくことで、比較的狭いエリアの発生状況の確認も可能とのこと。
また、アプリには体温を記録できる機能も付いている。万が一、インフルエンザに罹患したときには、体調管理に役立つ工夫もされているという。
アプリ利用者には、調査研究の内容・回答データの取り扱いなどを項目別にわかりやすく説明した後で、同意署名をもらうなど、調査研究参加にあたり十分なインフォームドコンセントを行う。個人情報保護に配慮して、位置情報に関連する情報については、すべて郵便番号として収集するという。
得られたデータから、インフルエンザ予防や治療に便利な情報を利用者にフィードバックすることで、利用者の健康管理にも貢献できるように設計されている。アプリを通して集められた多くのデータは、医学研究の進歩に寄与することも期待されているとのこと。
アプリは、App Storeから無料でダウンロードできる。