東京メトロは4日、銀座線・半蔵門線・東西線のホームドア設置計画の見直しを発表した。3路線ともに設置工程を前倒しし、銀座線は2018年度上期までに全駅(渋谷駅と新橋駅渋谷方面ホームは除く)で設置完了予定。半蔵門線は7駅、東西線は6駅を優先駅に選定し、2019年度末までに設置することになった。
銀座線は現在、新型車両導入による車両更新や駅改装工事、渋谷駅の大規模改良工事などリニューアルを進めており、上野駅渋谷方面ホームにホームドアも設置している。今後は浅草駅から渋谷駅方向へホームドアを順次設置し、当初計画では2017年度の設置開始、2018年度の設置完了予定となっていた。今年8月、青山一丁目駅で発生した転落事故を受け、体の不自由な利用者の利用状況やホームの状況などを考慮し、赤坂見附駅・外苑前駅・青山一丁目駅の3駅を中心に設置時期が前倒しされることになった。
銀座線各駅のホームドア設置は今年度末から順次開始され、浅草~神田間各駅は2017年6~11月の設置完了(駅リニューアル工事に合わせて設置)、青山一丁目駅・外苑前駅は2017年12月の設置完了(当初計画より9~10カ月前倒し)、赤坂見附駅は2018年2月の設置完了(当初計画より5カ月前倒し)を予定している。大規模改良工事を行う渋谷駅と新橋駅渋谷方面ホームは工事終了に合わせてホームドアを設置する予定。その他の駅は2018年度上期の設置完了予定(当初計画より4カ月前倒し)とされた。
半蔵門線・東西線ともに九段下駅からホームドア設置開始
半蔵門線・東西線も体の不自由な利用者の利用状況を考慮し、優先駅を選定してホームドア設置を進めていく。半蔵門線では今年4月、九段下駅でベビーカー引きずり事故が発生。今回の発表でも、九段下駅は最優先でホームドアを設置することとされた。
半蔵門線の優先駅は計7駅。九段下駅は2017年度下期、青山一丁目駅・表参道駅・渋谷駅は2018年度、押上(スカイツリー前)駅・半蔵門駅・永田町駅は2019年度にホームドア設置を完了する予定となった。東西線の優先駅は計6駅で、大開口ホームドア実証実験を行ってきた九段下駅からホームドア設置を開始する。九段下駅は2017年度下期、高田馬場駅・飯田橋駅は2018年度、早稲田駅・神楽坂駅・竹橋駅は2019年度に設置完了予定とされた。
東京メトロの路線のうち、全駅にホームドアが設置されたのは丸ノ内線・有楽町線・副都心線・南北線の4路線。2015年度末のホームドア設置率は47%だったが、銀座線全駅と半蔵門線・東西線の優先駅へのホームドア設置により、2020年夏には74%となる予定だ。現在は2018年度設置開始・2020年度設置完了予定となっている千代田線(北綾瀬駅・綾瀬駅北綾瀬方面行ホームは設置済み)、2020年度設置開始・2022年度設置完了予定となっている日比谷線についても、引き続きホームドア設置工程の前倒しを検討していく。