感染性胃腸炎は下痢やおう吐、腹痛などの症状が出る

東京都感染症情報センターは11月4日、10月24日~30日の期間中の東京都感染症週報を公開した。同週報により、都内で感染性胃腸炎の患者が増加しており、昨年同時期を上回る勢いであることが明らかになった。

感染性腸炎は細菌やウイルスなどの病原体が腸に感染することで、さまざまな消化器症状が引き起こされる病気。毎年寒い季節になると、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行しやすくなる。厚生労働省によると、感染性胃腸炎の主な症状は下痢やおう吐、腹痛、発熱など。一般的に健常者は軽症で回復するが、子どもや高齢者は重症化するケースもあるという。

10月24日~30日(第43週)の期間中、都内264の定点医療機関から報告された感染性腸炎の患者数は1,674人。1医療機関あたりの患者数は6.46人となっている。感染者は第40週から1,170人(医療機関あたり4.52人)、1,052人(同4.05人)、1,338人(同5.13人)と増加傾向にあり、東京都感染症情報センターは「感染性胃腸炎の定点当たり報告数が増加を認めている」と注意を呼びかけている。

なお、2015年の第43週の患者数は1,189人(同4.56人)となっており、医療機関あたりの患者は今年よりも約2人少ない。今年の第43週における患者数は、2015年の約140%だ。第40週からの数字も909人(同3.50人)、917人(同3.51人)、867人(同3.35人)と推移しており、1週間の患者は1,000人を下回っている。昨年と比較してみると、2016年の感染者が多いことがうかがえる。

ノロウイルスは食品や井戸水などを介して感染するケースがあり、加熱が必要な食品を中心部までしっかり加熱することが予防となる。また、ノロウイルスが大量に含まれる感染者の吐しゃ物やふん便を介して感染する例もあるため、厚労省は「手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法」として、手洗いを実施するよう呼びかけている。

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