2017年3月期 第2四半期決算説明会に登壇する、KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏

KDDIは11月1日、2017年3月期 第2四半期決算説明会を開催した。登壇したKDDI 代表取締役社長の田中孝司氏は、スマートフォン・携帯電話の販売台数の落ち込みに危機感を示しし、期待していた「Galaxy Note7」も販売中止になったことで、「次回の新商品発表はこぢんまりやる」と自虐的に話した。

端末が売れなくなった

KDDIの2017年3月期 第2四半期決算では、営業利益は5,326億円と順調な進捗状況だった。一方で、個人向けのモバイル端末の販売台数、および契約数が伸び悩んでいる。これについて、田中社長は「契約数についてはMVNOへの流出の影響などでマイナス傾向にある。顧客満足度を高め、できるだけauに残っていただけるよう施策を推し進めている」と説明する。

KDDIの2017年3月期 第2四半期決算。営業利益は5,326億円と順調な進捗をみせている

一方で、個人向けの契約数や1人あたりのモバイルデバイス数の成長が鈍化している

また、販売台数が昨年同期比で落ちている。これについては「予想より売れなくなった。魅力的な端末とサービスを、継続して出していくしかない」という。端末が売れなくなった一因には、総務省の指導により「実質0円による端末の販売」、および「キャッシュバックを伴う端末の販売」が禁止になり、端末価格が高止まりしていることも挙げられるだろう。

近いうちにも冬春モデル第2弾の発表が控えているが、主力製品として販売に期待を寄せていた「Galaxy Note7」がバッテリーの発火問題で取り扱えなくなった。田中社長は「Galaxy Note7がいろんなことがあったので、ラインナップ全体の見直しが入っている。冬春モデルの発表は、それなりに、こじんまりやるつもりでおります」と半ば自虐的に話していた。

iPhone 7は好調

一方、iPhone 7の販売については手応えを感じているようで「昨年に比べて、プラスで進んでいる。今年は予約が多かった。まだジェットブラックの予約が残っている。昨年同期比でもプラスになっているのでは」と説明した。

なお、大手キャリアではiPhoneの下取りを行っている。この下取りしたiPhoneについて、米Appleから「(iPhoneの売れ行きに影響するので)国内で転売してはいけない」との圧力が働いていると見る向きがあり、これを公正取引委員会が問題視している。これについて説明を求められると、田中社長は「KDDIでは中古業者に転売しており、その先までコントロールできていない。公取委が指摘する、(Appleからの要望で)キャリアが中古市場を規制しているという事実はない」とした。

廉価モデルの販売について

総務省では端末販売のガイドラインで「1万円程度での販売であれば、行き過ぎた値引きには当たらない」「卸値が3万円以内であれば適用の範囲外」などの指針を示している。 しかし、その線引きは曖昧なものだ。

そこを突く形で、NTTドコモは2016年冬春モデルの発表会で、一括648円のスマートフォン「MONO MO-01J」を発表した。これについてコメントを求められると、田中社長は「1万円台ならガイドラインに当たらない。KDDIでも、廉価なQua phoneを展開している。これを今後どうしていくかこれから検討する」と話した。