9月23日から10月2日まで、隅田川沿いで夕涼みイベント「RIVERSIDE&TOKYO」が行われた。約500個の風鈴が揺れる幻想的な風鈴ゲートには、デート中のカップルやSNSに写真をアップする若者たちの姿も。こうした水辺のにぎわいは、東京都が政策として進めている。川辺は今どのように変化していっているのか都の施策を追った。

隅田川沿いで夕涼みイベント「RIVERSIDE&TOKYO」。家族連れ、カップル、外国人観光客などが足をとめて川辺の風情を楽しんでいた

東京版“川床”「かわてらす」について、今まで、「東京が再び“水の都”に!? カギを握る“かわてらす”とは」と、「川を臨むテラス席!東京版“川床”成功のカギは」の 2回で伝えてきた。しかし、東京の水辺はそれだけではないのだ。川辺を活用して賑わいを作ろうという試みはほかにも現在進行形で、私たちが知らぬ間に、川辺の風景がじわじわと変わってきているのだ。

東京都の川のまわりは、可能性を秘めている

水辺のにぎわい創出のための仕組みづくりについて話を聞いたのは、東京都建設局河川部の冨澤房雄課長。

「基本的なコンセプトは、人々が集まる水辺空間の創出。そのため、水辺の利活用を促すために、様々な施策をおこなっています」。

その一例が、先にも述べた京都の夏の風物詩、川床をモデルにした社会実験“かわてらす”。「平成23年4月に河川敷地占用許可準則が改正され、民間の事業者も地元の協議が整えば河川敷地にテラスをせり出すことができるようになりました」(冨澤さん)。

「ボン花火」から見える隅田川とスカイツリー

現在、日本橋川沿いに、日本の食をテーマにした文化情報発信型飲食店「豊年萬幅(ほうねんまんぷく)」、そして隅田川沿いには、バルニバービによる食堂&呑み「ボン花火」、シスコが経営するフレンチレストラン「Nabeno-ism」、計3店舗がかわてらすをスタートさせている。