内閣府は10月29日、「男女共同参画社会に関する世論調査」の結果を発表した。調査期間は2016年8~9月、有効回答は18歳以上の個人3,059人。
「出産後も仕事」、調査開始以降で初の5割超
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について聞くと、「賛成」は計40.6%と過去最少、「反対」は計54.3%となった。男女別では、「賛成」の割合は男性の方が高く、「反対」は女性の方が高かった。年齢別に見ると、「賛成」とする人の割合が高いのは70歳以上、「反対」とする人の割合が高いのは30歳代、50歳代だった。
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に賛成した理由を尋ねたところ、「妻が家庭を守った方が、子供成長などにとって良いと思うから」(60.4%)が最多。以下「家事・育児・介護と両立しながら、妻が働き続けることは大変だと思うから」(45.6%)、「夫が外で働いた方が、多くの収入を得られると思うから」(32.9%)、「日本の伝統的な家族の在り方だと思うから」(20.8%)、「自分の両親も役割分担をしていたから」(19.0%)となった。
「反対」と答えた人に理由を聞いたところ、「固定的な夫と妻の役割分担の意識を押しつけるべきではないから」が52.8%で最多。以下「妻が働いて能力を発揮した方が、個人や社会にとって良いと思うから」(46.8%)、「夫も妻も働いた方が、多くの収入が得られると思うから」(40.6%)、「男女平等に反すると思うから」(38.4%)となった。
女性が仕事を持つことをどう考える?
女性が職業をもつことをどう考えるか尋ねると、「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた割合は54.2%と、1992年の調査開始以降で初めて5割を上回った。次いで「子供ができたらやめ、大きくなったら再び職業を持つ方がよい」(26.3%)、「子供ができるまでは、職業をもつ方がよい」(8.4%)、「結婚するまでは職業をもつ方がよい」(4.7%)、「女性は職業をもたない方がよい」(3.3%)となった。
社会全体でみた場合、男女の地位は平等になっていると思うかとの問いに対しては、「男性の方が優遇されている」は計74.2%と2012年より4.4ポイント増加。反対に「平等」は21.1%と3.5ポイント減少した。