NTTドコモは28日、2016年度 第2四半期決算説明会を開催。記者団から寄せられた質問に、NTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘氏が回答した。
セカンドブランドをもつ可能性は?
ソフトバンクでは、Y!mobile(ワイモバイル)をセカンドブランドとして展開している。またKDDIグループには格安SIMサービスを提供するUQ mobileがある。同様にして今後、NTTドコモがMVNO事業者をセカンドブランドにもつ可能性はあるか、という質問が寄せられた。
これに対し、吉澤社長は「結論から申し上げると、考えていない」と回答。その理由として「ドコモにはさまざまなお客様がおいでになる。それに合ったサービスを、極力、ドコモブランドの中で出していく。端末を例にするとフラッグシップがあり、ミドルレンジ、ローレンジ、入門編のような端末もある。それに最適な料金プランも考えていく。お客様ごとにいろいろ考えていくことで対応できると思っている。敢えてセカンドブランドを持とうとは考えていない」と説明した。
2016-2017冬春モデルの一例。「MONO MO-01J」のようなスマホ入門機を出す一方で、下り最大682Mbpsを実現するルータ「Wi-Fi STATION N-01J」のような最先端の製品も展開する |
Pokemon GOが収益に影響?
第2四半期決算では、パケットARPU(1契約あたりの売上)が前年同期比で80円上昇した。これについて、契約者のデータ消費が増えたのはPokemon GOの影響もあるのか、という質問に吉澤社長は「Pokemon GOは、あまりデータ増には影響がなかった」と苦笑い。
続けて、同社取締役 常務執行役員 財務部長の佐藤啓孝氏が「より容量の大きなデータプランに入っていただく、あるいは旧プランから新プランへ移行していただく、そうしたときにパケットARPUが上昇することが考えられる」と補足説明した。ドコモでは利用者に分かりやすいデータプランの訴求に努めており、「そうした地道な活動の結果」(佐藤氏)がパケットARPUの押し上げに貢献しているという。
大容量データプランの影響は?
ドコモでは9月より、ウルトラシェアパック100(100GB)、ウルトラシェアパック50(50GB)、ウルトラデータLLパック(30GB)、ウルトラデータLパック(20GB)といった大容量データプランの提供を開始している。
これについて申し込み状況、収益に与える影響などを聞かれると、吉澤社長は「大きなプランに移行される方がいらっしゃる。その中には、ウルトラパックに申し込まれると有利になる方が多い。例えばこれまで5GBのプランを契約していて、毎月、パケットの追加課金をされてきたような方。これまでと同じかそれ以下の料金で、大容量のパケットが利用できるようになる。現在は、そうしたお客様が契約されている状況」と回答。
ちなみに、これはパケットARPUが下がるケースだという。では、上がるケースは?
吉澤社長によれば「ドコモからしてみると、これまでデータ通信を我慢をされていた方が大容量のプランに入られるとパケットARPUが上がる。いまのところ、そちらはまだそれほど」とのことだった。
dマーケットを活性化させる
ドコモのスマートフォン向けコンテンツマーケット「dマーケット」において、dマガジンが伸びている。一方で、ドコモの動画・映像配信サービス「dTV」は今期伸びなかった。
これについてコメントを求められると、吉澤社長は「dTVは、それまで興味を持たれていたお客様に行き渡ったのではないか。お客様の一定数の需要が満たされた」と回答。その上で「ただ、映像はお客様の興味のあるコンテンツを揃えるべき。これをどう伸ばしていくか」と課題を示した。
dマガジンが好調な要因には「読める雑誌の数が167まで増えた。お客様の関心事が多岐にわたる場合、400円でこれだけの雑誌が読めるのは魅力」と分析。「今後とも、dマーケットの中に新しいものをどんどん入れていかなくてはいけない。dマーケットを活性化させていく。それが我々の役目」と話していた。