ワコムが提唱した、デジタル文具の普及と発展を推進する非営利団体「デジタル ステーショナリー コンソーシアム」が26日(米国時間)、米デラウェア州にて発足した。同日から参加企業やメンバーの募集も開始している。

このコンソーシアムの目的は、これまで筆記具として使用されてきたアナログな技術である「ペンとインク」にデジタル技術を融合させ、新たな体験や価値を生み出すこと。

具体的には、ワコムが2014年に提唱しSDKの無償配布も行なってきた、デジタルインクデータの相互互換性を保ち、クラウドでの共有も行える技術「WILL(Wacom Ink Layer Language)」をコンソーシアムに参加する各社で活用。ハードウェア、OS、ソフトウェアなどの垣根を超え、複数間でのコミュニケーションやコラボレーションが可能になるような、デジタル文具製品の定着と普及を目指す。

ワコム取締役代表兼CEOで、同コンソーシアムの代表でもある山田正彦氏によると「デジタル文具の本格的な普及・発展のためには、身近でオープン、かつ実用的なデジタルインクのフォーマットが必要です。ワコムはそのために、WILL を『公共財』として、提供してきました。WILL が広範に利用されるためには、個別の会社の利益を超えたパートナー企業の間でさらに緊密な協力と連携が不可欠と考え、ワコムの事業とは一線を画したコンソーシアムとして設立することにいたしました」とのこと。