ワコムが9月初旬に発表した「Bamboo Slate」は、紙の上に書いた文字や図をデジタル化し、編集・共有することができるデジタル文具だ。ちょうど一年前、2015年9月に発表された、タブレットや名刺などを挟めるガジェットポケット一体型スマートフォリオ「Bamboo Spark」の追加モデルで、スレート型になっていることが特徴だ(ポケット付きA4サイズの「Bamboo Folio」も同時発表されている)。

さて、これまで"10月下旬"と案内されていたその発売日が11月1日に決定したことが、24日に明かされた。今回前編・後編にわたり、発売間近の「Bamboo Slate」を、写真を中心にチェックしていこう。

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Bamboo Slate Smallを手に持ったところ(左)と、Bamboo Slate largeを手に持ったところ(右)。どちらもオプションのノートパッドを装着している。ノートパッドはSmall用がA5、large用がA4サイズ

Bamboo Slateは、本体に独自の電磁誘導方式デジタイザーを内蔵した、スレート型のデジタル文具だ。下敷きのような本体の上に紙をセットし、専用ペンで通常通りメモを取ると、AndroidやiOSの専用アプリ「Wacom Inkspace アプリ」(以下、Inkspaceアプリ)に書いた内容がデジタル化され保存される。手書きでは無くしやすい、ちょっとした仕事メモやアイデアスケッチを手軽にアーカイブできるデバイスだ。

largeとsmallの2種類。左がsmall、右がlarge

サイズはlargeとsmallの2種類。largeの本体サイズは330×254×7mm、smallは249×186×7mmだ。先ほど紙をセットして書くと書いたが、largeの対応用紙はA4(210×297mm)、smallの対応サイズはA5(140×216mm)となる。いずれも、それぞれの対応用紙より一回り大きいサイズだと思ってもらえれば間違いない。

largeとsmallを重ねてみるとこんな感じ。厚さはlarge、smallともに7mmで同じ

largeは実際に持ってみると確かに「大きい」という印象があるが、largeで重さが472g、smallで重さが264gと、単に重さだけで考えるなら持ち運びには問題ないだろう。厚さは両機種ともに7mm。鞄に入れやすい薄さではあるが、largeは大きさの面で入れられる鞄を選びそうだ。largeは男性向けのビジネスバッグ、smallは女性向けの小さな鞄に適している。A4より一回り大きいlargeは据え置き利用も想定されているのかもしれない。

表面(左)と背面(右)。カラーはミディアムグレーだ

見た目では、"ガジェット感"を感じさせないデザインも特徴。本体の左下には電源/ペアリング用ボタン、下部に充電用のmicroUSBポートが付いており、インタフェースはこの2点のみだ。表面はつるっとした灰色のビニール様素材で、若干の凹凸がついている。灰色の糸で、読み取り可能範囲を四角く縫っているほか、背面は黒と灰色が混ざった布のような質感の素材で覆っており、なにか布製品を彷彿とさせるデザインになっている(これもガジェット感を感じさせない工夫のひとつだろう)。上部を横切るオレンジのアクセントカラーは、紙を挟み込むため袋状になっている本体の下地の色となる。

軽いタッチで押せる電源ボタン。読み取り可能範囲は糸で縫われている

布のような質感の背面。オレンジの糸で"BAMBOO"ロゴが刺繍されている

充電用のmicroUSBポートは、本体下部についている。充電中は上面のLEDが赤く光るようになっている

後編では、実際にInkspaceアプリを使ってみた様子をお伝えする。