富士通は27日、2016年度第2四半期の連結業績を発表。あわせて、経営方針説明会も開催した。説明会には田中達也代表取締役が出席し、同日公式発表されたレノボとのPC事業連携にも話が及んだ。
まず、2016年上期(2016年4-9月)全体の連結業績では、売上収益が2兆850億円、営業利益が258億円、最終損益が118億円の黒字となった。最終損益が159億円の赤字だった前年同期比と比べ、大幅に改善した。
また、事業別セグメントの中で、PC事業や携帯電話事業を担当するユビキタスソリューションでは、2016年度上期の売上収益が、前年同期比で4.2%減収となる4,836億円となった。内訳は、PC/携帯電話事業が前年同期比8.2%減収の2,893億円、モバイルウェア事業が同2.3%増収の1,943億円で、営業損益は187億円の黒字となった。
PC/携帯電話事業の売上については、PCは法人需要に加え、Windows 7需要の前倒しも寄与し前年並に。携帯電話に関しては、市場の成長鈍化や新機種の絞り込み、ハイエンドモデルの売上減などで落ち込んだという。営業損益全体としては、モバイルウェア国内市場の増収や開発費用の効率化、ドル建て部材のコストダウンなどにより、前年から改善する結果となった。
PC事業はレノボとの提携を最優先で検討
田中達也社長による経営方針説明会では、レノボとのPC事業提携に話が及んだ。田中社長は、富士通の中核となるコア事業を"テクノロジーソリューション"と位置づけ、コア事業に経営資源を集中するとともに、「コア事業以外の事業は、各事業でもっとも活きる形を追求し、あらゆる可能性を検討する」と述べた。
レノボと提携の検討を発表したPC事業に関しては、「PC事業に関しては、事業を強化していくという観点から、あらゆる選択肢を検討している。その中でレノボと話す機会があり、最優先で検討したほうがいいだろうと判断した」という。提携内容は検討中。レノボをパートナーとして選択した理由については、「グローバルで強いベンダ。一緒に事業を検討することで強くできると考えた」とした。また、ブランドは維持する方向で検討しているものの、富士通アイソテックや島根富士通といったPC生産拠点の継続については「検討事項のため、回答は控える」と話した。
「PC市場はなくらならないと考えている。富士通のPC事業は長年やってきた事業であり、良い技術も持っている。イグジット(切り離す)ではなく、物量のメリット、販路の拡大など、提携して活かす方法を模索したい」(田中氏)。