ウエスタンデジタルジャパン チャネルマーケティング シニアマネージャーの安田 伸幸氏(左)と米ウエスタンデジタル デバイスグループ マーケティングコミュニケーション ディレクターのLaurie Iwami氏(右) |
ウエスタンデジタルジャパンは10月24日、同社として初のSSD製品「WD Blue SSD」と「WD Green SSD」を発表した。Blueは10月25日、Greenは11月下旬より発売する。これに合わせて都内で製品発表会を開催した。
発表会では日本法人の安田氏があいさつを兼ねて、現在のウエスタンデジタルについて説明。2015年にSanDiskを買収したことによって、HDDメーカーから総合ストレージソリューションプロバイダーへと生まれ変わり、HGST/WD/SanDiskの3ブランドとコンシューマーからエンタープライズまで幅広いポートフォリオを備えたという。
製品ポートフォリオをまとめたもの。先日のNAS EXPOでも紹介された |
国内市場において、WDは内蔵HDDの分野でNo.1ブランドであり、BCNの調査では5年連続トップを獲得。直近の数字では過半数のシェアを握っており、このままいけば6年連続になるとアピールする。この勢いを牽引するのが「WD Blue HDD」で、自作PC市場での人気が高く、この製品だけでHDD市場全体の35%のシェアを持つという。
WDのブランド力を背景として、ユーザーに対してさらなる選択肢を追加するのが、WD SSDをBlueとGreenになる。
高性能・高耐久のBlueと既存PCの延命やアップグレード向けのGreen
続いて登壇したLaurie氏は、SanDiskの買収によって、WDとSanDiskの強みを生かした製品が迅速に投入できたと説明。WD Blue SSDとWD Green SSDは、既存のWD製HDDのポートフォリオを補完する製品になるという。どちらも利用しているNANDフラッシュメモリ15nmプロセスのTLCチップを採用し、東芝/SanDisk合弁の四日市工場で製造する。
WD Blue SSDは起動ドライブとして既存のシステムへ新たに追加、あるいはプライマリディスクのアップグレードに適している製品であり、競合製品と比較しても高いパフォーマンスを持っていると強調する。
また、1TBモデルで400TBW(Tera Byte Written:総書込み量)、250GBモデルでも100TBWの耐久性を備える。例えば、250GB製品では1日あたり80GBの書込みを行っても3.5年利用可能で、自作ユーザーやゲーマー、コンテンツクリエイターといった重い処理が必要となるユーザーにも十分満足できる製品であるとアピール。
一方、WD Greenはこれよりもライトなユーザー向けの製品ながら、性能に関しては競合製品を凌駕するという。総書込み量は、最大80TBWなので、Blueのような重いワークロードというよりは、日常的なPC利用者向けで、こちらも既存システムのストレージ換装に向いているという。
どちらの製品も3年保証で、ウエスタンデジタルのFITラボテストによって幅広いPCでの利用性を持っており、また、別途無償でダウンロードできるダッシュボードソフトによってファームウェアのアップグレードや、残り寿命・温度等が把握できる。
SanDiskブランドSSDとの違いは? 2つのブランドはどう住み分ける?
質疑応答ではラインナップ、特に"色"に関する質問がいくつか出た。HDDでは「Green」が「Blue」に統合されているうえに、高性能・高耐久を求めるヘビーユーザー向けに「Black」が用意されている。SSDでも「ヘビーユーザー向け」と「ライトユーザー向け」に分けるなら「Blue」と「Green」ではなく、「Black」と「Blue」となるのが自然に思える。
これに対して、SSDでは「Green」を必要十分な性能を備えた日常レベルの用途向け、「Blue」をメインストリーム向けとして位置付けていると回答。また「将来のことは語れない」と「Black」のような上位モデルの投入については明言を避けた。
SanDiskブランドのSSDとの住み分けついて、安田氏は「SanDiskブランドのSSDに加えて、WDブランドのSSDを新たな選択肢として追加する。あとは性能や容量、価格に応じてユーザーの方に選んでいただく」と答えた。この辺り、今後WDとSanDiskがそれぞれ説明する機会が望まれる。
なお、ウエスタンデジタルでは、日本のようにすでにSSDが浸透している市場に、WD Blue SSDを、新興国をはじめとするこれからSSDが広まるであろう市場に、WD Green SSDを訴求していく予定だという。