「sushi」は、もはや世界で通用する日本語のひとつ。海外でお寿司屋さんを見かけたことがある人もいるだろう。中には、アメリカの「カリフォルニアロール」のように、その国で独特な進化をたどっている寿司もある。それならば、アメリカ以外の国でもお国っぽい食材を寿司ネタとして使っている場合があるかもしれない。果たして、それはどんなものなのだろうか。日本在住の外国人20人に聞いてみた。
スゴイ! &お国っぽさが表れているネタ
・「ブラジルでは、イチゴやマンゴーをはじめ、多種の果物を使ったお寿司が流行っています」(ブラジル/20代後半/男性)
・「乳製品です。乾かしたチーズ、馬乳酒ネタ」(モンゴル/30代前半/男性)
・「『あずき軍艦』『ツナサラダ軍艦』『ゼリー寿司』『抹茶アイス寿司』『パイン軍艦』と『カモ肉寿司』です」(香港/20代後半/女性)
・「詳しくありませんが、おそらく軍艦にワカメを乗せただけのお寿司でしょうか」(タイ/30代前半/男性)
・「白身魚(名前は分かりません)の上に、水で洗ってさっぱりしたキムチを乗せた寿司ネタ」(韓国/20代前半/男性)
・「サーロ(豚の脂身の塩漬け)。もちろん、これは冗談として作っている」(ロシア/20代中半/女性)
ネタよりネーミングが独特
・「変わった巻きやロールがたくさんあって、何でも寿司のネタになりえます。名前も「横浜シンフォニー」というように、意味不明なものが多いです」(ウクライナ/30代前半/男性)
・「アラスカンロールという、クリームチーズとスモークサーモンが入っているカリフォルニアロールみたいな寿司はアメリカの寿司屋さんにどこでもありますが、日本にはあまり見たことない気がします」(アメリカ/30代前半/女性)
逆に、日本にはあって母国にないネタ
・「独特のネタはありません。ただし、日本にはあったがインドネシアにないのは卵焼きの寿司です」(インドネシア/40代前半/女性)
母国で寿司を食べたことがない&ヘンなネタはない
・「寿司ネタ……。そもそも寿司は日本料理店でしか見ませんでした。自分は8年ぐらい前にイタリアを離れたのですが、イタリアでは寿司を食べたことがありません。種類はよく覚えていないですが、かなり少なかったので日本にないものはなかったと思います」(イタリア/30代前半/男性)
・「アボカド? カニ棒? 寿司ネタに関して、中国人はあまり創作しないと思います。基本、味で調整します。マグロ、サーモン、うなぎなど、脂が乗った魚が好みです」(中国/30代中半/男性)
・「ルーマニアでは、ほとんど寿司を食べることができません。日本レストランは一軒か二軒ぐらいしかなくて、日本と比べると値段が非常に高いのでなかなか行けません。そのため、私はルーマニアで寿司を食べたことがありません」(ルーマニア/30代前半/女性)
・「ないと思います」(フランス/30代前半/男性)
・「ない」(パラグアイ/30代前半/女性)
・「スペインで食べた寿司のネタは全て日本にあります」(スペイン/30代前半/女性)
・「ほとんど日本のメニュと一緒だからあまり思い付かない。でもちゃんと火が通ったネタが多いかもしれない」(台湾/20代後半/女性)
・「よく分かりません。ないかな……。お寿司はハンガリーではとても高いということかな」(ハンガリー/30代前半/女性)
・「フィリピンにいた時にあまり寿司は食べなかった。高いから」(フィリピン/40代前半/女性)
そもそも、母国には寿司がない
・「母国に寿司はありません」(インド/40代前半/男性)
・「寿司はないですが、川や池の魚の刺身ならあります」(ベトナム/20代後半/男性)
総評
今回のアンケートでは、20人中8人が母国の意外な寿司ネタ(または、ネーミング)を披露してくれた。それぞれ作った人としてみれば「これはウマいに違いない! 」と考えて、シャリと一緒にギュギュッと握っているのだろうが、元祖寿司の国の人間としては「えええええ! 」と思うようなネタが登場したのではないだろうか。
マンゴーや抹茶アイスの乗った寿司なんて、もはやそのマッチングの良しあしを考える隙などなく、それを料理人が想像するに至った経緯すら思い浮かびはしない。そんな中で、「あずき軍艦はまだましか」と思いたくもなるが、酢飯にそれが乗っているとなると、急に心がなえてくる気がする。でも、もしかしたら予想を超えたおいしさがあるかもしれないので、チャレンジ精神のある(勇気のある)方は、ぜひやってみてもらいたい。数年後の日本のヒットになっていることを期待する。
調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート