JR東海は、地震時の脱線・逸脱防止対策として東海道新幹線の線路に設置している脱線防止ガードについて、これまで人力で実施していた定期検査を2次元レーザー方式のセンサーによる検査方法に切り替えると発表した。
脱線防止ガードは、レールの内側にレールに沿う形で設置することで、地震発生時の車輪逸脱を防ぐ装置。通常時の列車の安全走行を妨げることなく、地震時に確実に機能させるためには、レールに対して適切な位置を保つ必要がある。この適切な位置を保つため、現在は年1回のペースで社員が現地に出向き、手作業で検査を行っている。しかし脱線防止ガードの設置範囲拡大にともない、検査量も増加していることから、検査作業の軽減と精度向上を目的に効率的な検査方法についての研究も進めてきたという。
今回、導入が発表された検査方法はJR東海小牧研究施設が開発したもの。既存の保守用車(レール探傷車)の前後に2次元レーザー式センサーを搭載することで、最高速度約40km/hで走行しながら脱線防止ガードの位置やボルトのゆるみを自動で測定することを可能にした。
この保守用車は東海道新幹線全線を年2回走行するため、これまでの半分のサイクルで検査できるようになり、人力での測定に比べて精度も向上。作業ペースも飛躍的に向上し、これまでは1回(1晩)あたり3人がかりで約1.5kmしか検査できなかったが、機械化により1回あたり約50km検査できるようになるという。新方式による検査は2017年度から開始する予定。