イタリアのランボルギーニ・アウトモビリはこのほど、同社のレストア部門であるポロストリコが手がけた「350GT」のレストア作業が完了し、オーナーの手に戻されたことを発表した。車体と内装に1,150時間、電気系統などの修復に780時間が費やされたという。
「350GT」はランボルギーニの初期のモデルで、1963年にプロトタイプの「350GTV」、1964年に「350GT」が発表された。3,464ccのV型12気筒エンジンを搭載する優美な2ドアクーペで、その初回生産台数は15台。今回レストアされた車両はそのうちの1台で、生産を重ねるうちに変化した同モデルの初期の特徴を備えている。
ポロストリコはその特徴に関するリサーチの上、シャーシとボディをオリジナルの配置に戻し、エンジン、冷却システム、ブレーキシステム、燃料システムにも大幅な修理と調整を加えた。木製ステアリングホイール、アクセル、クラッチ、ブレーキペダルなどの部品も、味わい深い磨耗や劣化を残しつつ復元。カーラジオも1964年当時の姿に甦った。
ボディはホワイトカラーで再塗装を施した。ニトロアクリルの塗料配合と塗装技術は製造当時のもので、22層もの塗装構造を採用。各層の間に手仕事による湿式研磨をかけたことで、フォルムに鮮やかな流れが生まれている。
ポロストリコはこれまでに「ミウラ」「LM002」「クンタッチ」、そして「350GT」と、4つのフルレストア・プロジェクトを手がけた。ポロストリコは車両のレストレーション、製造記録等のアーカイブ管理、認定証の発行、オリジナル・スペアパーツの提供を担当。アフターセールス部門やディーラーネットワークを通じてこれらのサービスを提供し、車両価値の維持を図るとしている。