矢野経済研究所は10月21日、化粧品市場に関する調査(2016年)の結果を発表した。調査期間は2016年6~9月、化粧品ブランドメーカー、化粧品受託製造事業者、化粧品原材料メーカー・商社、流通業者等を対象に、同社専門研究員による直接面談、電話ヒアリング、文献調査併用で行われた。

スキンケア市場、メイクアップ市場などが好調

2015年度の国内化粧品市場規模は前年度比3.0%増の2兆4,010億円(ブランドメーカー出荷金額ベース、以下同)。2014年10月に化粧品が免税対象になり、多言語対応や売り場作り、外国人が好むギフトセットの販売等を強化したことで、インバウンド需要の取り込みが進み、市場は大幅に拡大したという。

国内の化粧品市場規模推移と予測 矢野経済研究所推計(注1:ブランドメーカー出荷金額ベース、注2:2016年度は予測値)

製品分野別にみると、スキンケア市場は同3.6%増の1兆1,160億円。インバウンド需要に加え、オールインワンタイプのジェルで美白やアンチエイジングなどの付加価値を持たせた製品が増加し、幅広い需要を獲得したと分析している。

メイクアップ市場は同2.7%増の5,251億円。ここでもインバウンド需要の取り込みが進んだほか、高機能リキッドファンデーションや外資系ブランドのリップカラーなどが好調だったという。

男性用化粧品市場は同1.6%増の1,178億円。ミドル世代をターゲットに、ニオイ対策を訴求したヘアケア製品や簡便性を訴えたスキンケア製品が引き続き売れているとのこと。

このほか、ヘアケア市場は同1.7%増の4,324億円。フレグランス市場は同3.2%増の290億円となった。