風邪をひきやすい人とひきにくい人の違いって?

体温調節が難しい季節の変わり目は、風邪をひきやすい。病院に行けずに風邪が長引くと、体がつらいのはもちろん、仕事やプライベートにも影響が出てしまうため、ひき始めのうちに治したいところだ。

そこで今回は内科の大川原華織医師に、風邪の予防法や悪化させないコツ、風邪薬・漢方の取り入れ方などについてお聞きした。これから寒さが本格化すると、季節性・流行性の病気も増えてくるので、しっかりと予防しよう。

――まず、風邪の定義について教えてください。

風邪は鼻腔(びくう)から咽頭・喉頭までの上気道に起きた炎症のことで、原因の80%はウイルスによるものです。微熱・倦怠(けんたい)感・鼻汁・咽頭痛など、さまざまな症状を呈します。

健常人ではほとんどが軽症で自然治癒し、38度以上の発熱を呈することも、発熱が3日以上続くことも少ないです。咳が続くことも多いですが、通常は7~10日で鎮静化します(咳は治ります)。3日以上発熱が続く場合や、7日以上風邪の症状が改善しない場合は、他の病気の可能性もあるため、採血やレントゲンなどの検査が必要となることがあります。

例外もありますが、生活が乱れている方は、多忙な毎日のために休養が足りず、たくさんのストレスにさらされがちです。忙しさから外食が続くと、高糖分・高脂肪の食事に偏り、ビタミン類や食物繊維の不足なども起こりやすくなります。これらが重なった場合、免疫システムが低下すると言われますので、風邪もひきやすくなるでしょう。

風邪を予防するためには、難しいかもしれませんが、ウォーキングなどの適度な運動(激しい運動は逆効果)、適度な休養、バランスのよい食事、適度な外交(家族や友達と遊ぶなど)を心がけることが大切です。

――風邪は治ったのに咳だけ止まらない場合、考えられる原因は?

一番多いのは「感冒後咳嗽(かんぼうごがいそう)」と言って、風邪の際にウイルス排除をするための咳が遷延して残るものです。咳は残りやすく、一般的に7~10日ほど、長い方では1カ月~数カ月続くとも言われています。その他、肺炎や肺がん、結核、百日咳など、初期症状が風邪と似ている病気も考えられます。10日以上咳が続く場合は、病院での受診が安全ですね。

受診して呼吸器系の病気だった場合、基本的には内服加療と吸入薬による治療を行います。症状がひどい場合には点滴加療を行います。発熱や酸素化(体の中に酸素を取り込めていないような状態)では、入院が必要です。咳を悪化させず喉の調子を健康に保つためには、ほどよい加湿と禁煙を心がけましょう。