日本産業カウンセラー協会は10月17日、2016年9月に実施した第10回「働く人の電話相談室」の分析結果を発表した。

「パワハラ」に関する相談が増加

同協会は、2007年から「世界自殺予防デー(9月10日)」に併せて電話相談室を実施。今回は、2016年9月9~11日の3日間に延べ467人から756件の相談を受けた。

相談内容の内訳をみると、例年同様に「職場の悩み」が最も多く266件、全体の約35.2%を占めた。

「職場の悩み」の中では、「人間関係」に関する相談が266件中約4割の106件で最多。次に多かったのは「パワハラ」に関する相談で、前年の44件(16.0%)から約30%増の57件(21.4%)に急増し、以下、「労働条件・待遇」が10.9%、「その他ハラスメント」が5.6%と続いた。

「職場の悩み」相談内訳

セクハラやパワハラなど「ハラスメント」に関する相談は計78件(29.3%)。被害内容については、サービス残業や長時間労働の強要、容姿や性別・年齢をあしざまにしたもの、暴力行為、強制的な退職勧奨や実際の不当な解雇といった相談が多数寄せられた。更に子供を持つことができない女性に「子供を作った方が良い」と無神経な言葉をかける事例もみられた。

「人間関係」「ハラスメント」の悩みの原因を聞くと、半数以上の52.7%が「上司(役員含む)」と回答。また「同僚」についても26.6%が悩んでいることがわかった。

相談内容の中には犯罪が想像される事例も含まれており、同協会は被害を受けた場合は自分自身の中で抱え込まず、身近な人や公的機関に相談するよう呼びかけている。