国土交通省はこのほど、東京のタクシー初乗り運賃を410円に引き下げる実証実験の結果を発表した。この実証実験は初乗り料金の値下げについて広く周知を図るとともに、短距離のタクシー需要の顕在化を検証するために実施された。
東京のタクシー初乗り運賃については、初乗り距離を短くして額を引き下げる内容の申請がなされ、現在、運賃改定手続が進められている。このような見直しを図ることで、訪日外国人の観光需要や高齢者などの日常生活需要の喚起の効果が期待されている。
今回の実証実験は、今年8月5日から9月15日にかけて、新橋駅東口や浅草駅前など4カ所のタクシー乗り場で実施された。事業者23社から40台が参加し、初乗り運賃1.059kmまでを410円、以降は237mごとに80円とする運賃を設定し、あわせて利用者にアンケートも実施している。全運送回数は1万5,071回におよび、アンケートの回答者数は1万368人、うち167人が外国人となった。
アンケートの結果、日本人利用者の6割が、初乗り410円になればタクシーの利用回数が増えると解答した。解答結果を平均すると、タクシーの利用回数が月4.8回から7.0回へと、46%増加することになる。また、外国人利用者の約8割が、初乗り410円について「安価」または「適当」と回答している。
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