日本経済団体連合会と東京経営者協会は10月13日、2016年3月卒「新規学卒者決定初任給調査」の結果を発表した。調査期間は2016年6月7日~7月1日、有効回答は会員企業493社(従業員500人以上規模78.1%)。

初任給「引き上げた」、前年比6.8ポイント減

学歴別の初任給の引き上げ額は820円(短大卒(技術系))~1,609円(大学院卒(技術系))で、短大卒(技術系)と高卒(現業系)を除く学歴で1,000円を超えた。この結果、大学院卒(技術系)の初任給額は調査開始以来、初めて23万円台に乗った。

主な学歴別の初任給をみると、大卒は事務系が21万3,892円(引き上げ額1,338円)、技術系が21万3,677円(同1,443円)。大学院卒は事務系が22万9,965円(同1,609円)、技術系が23万961円(同1,339円)。

高卒は事務系が16万6,510円(同1,186円)、技術系が16万8,425円(同1,126円)、現業系が16万8,230円(同933円)となった。

学歴別初任給水準―全産業―(出典:日本経済団体連合会Webサイト)

初任給決定にあたって最も考慮した判断要因を聞くと、1位「世間相場」(28.5%)、2位「在籍者とのバランス・新卒者の職務価値」(20.3%)との順に。経団連によると、2007年以降、同様の傾向が続いているという。

3位の「人材を確保する観点から決めた」(16.1%)は前年より1.8ポイント増えており、経団連は「人手不足などを背景に、予定採用数の確保のため、他社の水準を見極めながら初任給額を決定する企業が年々増えてきている」と分析している。

初任給の決定状況をみると、「前年の初任給から引き上げた」企業は51.1%と、2000年以降で初めて2年連続で半数を上回ったものの、前年より6.8ポイント減少した。一方、「据え置いた」は前年比6.6ポイント増の48.5%、「引き下げた」は同0.2ポイント増の0.4%となった。