日本銀行は10月13日、2016年9月の貸出・預金動向(速報)を発表した。それによると、全国の銀行の貸出平均残高は前年同月比2.2%増の502兆168億円となり、2002年3月(501兆375億円)以来、14年6カ月ぶりに500兆円を上回った。前年比で増加するのは60カ月連続。
不動産向け融資を中心に幅広い業種で増加
業態別にみると、都市銀行等は同0.8%増の205兆8,142億円。地方銀行は同3.5%増の182兆4,796億円、第2地方銀行は同2.9%増の48兆998億円、地方銀行と第2地方銀行の合計は同3.4%増の230兆5,794億円となった。
日銀によると、「外貨貸出のウェイトが高い都銀を中心に、円高により為替換算後の残高が押し下げられている一方で、M&A関連向けやアパートローン等の不動産向け融資が貸出の増加に寄与した。中堅・中小企業や幅広い業種で増加が続いている」という。
信用金庫の貸出平均残高は同2.3%増の65兆6,232億円。外国銀行(円貸出)の貸出平均残高は同34.7%増の2兆5,953億円となった。
預金(実質預金と譲渡性預金(CD)の合計)の平均残高は、都市銀行、地方銀行、第2地方銀行の合計で同3.6%増の655兆5,223億円となった。
業態別では、都市銀行は同5.1%増の329兆9,720億円。地方銀行は同2.1%増の259兆1,223億円、第2地方銀行は同2.1%増の66兆4,280億円、地方銀行と第2地方銀行の合計は同2.1%増の325兆5,503億円となった。