スズキ・トヨタ、業務提携の検討を開始 - 環境・安全・情報技術などで連携

スズキとトヨタ自動車は12日、両社の協力関係の構築に向けた検討を開始することを決めたと発表した。両社は業務提携に向けた検討を開始し、環境や安全、情報技術などの分野で連携を強化していくという。

自動車業界は現在、従来の自動車そのものの開発技術にとどまらず、環境・安全・情報分野において先進・将来技術の開発が求められるなど、取り巻く環境がこれまでにない速さで大きく変化している。こうした分野では個別の技術開発に加え、インフラとの協調や新たなルールづくりを含めた他社との連携の重要性も増してきている。

スズキは軽自動車を中心に、価格競争力の高いクルマをつくる技術を一貫して磨いてきたが、先進・将来技術の開発に課題を抱え、危機感を持ってきた。一方のトヨタも、環境・安全・情報分野の技術開発に取り組んでいるものの、欧米各社よりも仲間づくりや標準づくりの面で遅れているという。業務提携に向けた検討は、両社が抱える課題を解決するには業務提携が有効であるとの考えによるもの。両社間で公正かつ自由な競争が行われることを前提として検討が進められる。この構想は両社以外にもオープンなスタンスであり、将来的には標準化にもつながるものと考えているという。

トヨタ自動車代表取締役社長、豊田章男氏は､「自動車業界を取り巻く環境が大きく変わる今、生き抜くために必要なのは『変化に対応する力』。個別の技術開発に加えて、同じ志をもった仲間づくりが重要となってきている」と説明。スズキ代表取締役会長、鈴木修氏は、「トヨタは業界トップの企業であり、最も信頼できる会社。豊田章一郎名誉会長にまず相談させていただき、豊田章男社長にも協業に関心を示してもらい、大変感謝している。スズキの将来のためにもしっかりと協議に臨んでいく」と語っている。