JR西日本は12日、地上設備の更新などをより効果的に行い、新幹線における安全・安定輸送を維持することを目的に、山陽新幹線相生~岡山間に保守基地を新設すると発表した。2021年3月完成予定で、山陽新幹線の開業以降、保守基地新設は初とのこと。
保守基地は鉄道の地上設備(線路・架線など)における保守作業の拠点となる施設。保守用車の留置・点検・整備も行われるという。山陽新幹線の保守基地は現在13カ所あり、このうち姫路保守基地と岡山保守基地は約82km離れている。基地間の距離が短いほど、点検場所への移動に要する時間のロスを低減できることから、中間点にあたる兵庫県赤穂市大津で保守基地新設に向けた用地取得が進められたことも報道されていた。
新設される保守基地は姫路保守基地から38km、岡山保守基地から44kmの位置にあり、用地面積は約2万3,900平方メートル。本線に沿って1~8番線を設け、留置線総延長は約1,600mとなる。おもな設備として、検修庫やクレーン設備、バラスト積込・取卸設備、給油設備、資材置き場を設置。JR西日本は保守基地新設の効果として、「現行の作業時間と比較して、最大で約3倍(約60分→約180分)の時間が確保できる見込み」と説明している。